一連の問題が長年明るみに出なかった背景のひとつとして、マスメディアの沈黙を指摘される中、テレビ業界がなぜ問題に向き合ってこなかったのか検証するという。
なお、番組はNHK BS1で9月12日(火)5時30分にも放送される。
ジャニーズ性加害「クロ現」でも報道
ジャニーズ事務所および故・ジャニー喜多川さんの性加害問題は、3月のBBCや『週刊文春』の報道、その後の元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト(岡本カウアン)さんの記者会見を経て、社会的に大きな注目を集めている。#クロ現
— NHKクローズアップ現代 公式 (@nhk_kurogen) May 17, 2023
私たちは、ジャニーズ事務所の元所属タレントや元スタッフなど、100人を超える関係者に取材を申し込みました。
性被害を受けたという、複数の元所属タレントが苦しい胸の内を語ってくれました。https://t.co/tp7uW8WxTn pic.twitter.com/qz20sCD1mF
5月に藤島ジュリー景子社長(当時)が動画と文書で謝罪して以降、マスメディア各社による報道も徐々に本格化。
「クローズアップ現代」でも同月に問題を取り上げ、元ジャニーズJr.たちへの取材を通じて、彼らの今なお続く性加害のトラウマを報じてきた。
NHK、メディアの沈黙の指摘に対して反省の弁
8月29日、ジャニーズ事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」による調査報告書が公開された。同チームの提言を受け、ジャニーズは9月7日に記者会見を実施。性加害を事実と認定した上で、藤島ジュリー景子さんの辞任と、東山紀之さんの新社長就任などを発表した。 一方で、調査報告書の中では、問題の背景として“メディアの沈黙”も指摘。NHKではジャニーズ事務所の記者会見を受けたコメントで、反省の弁と今後の方針を述べている(テレビ局各社も同様のコメントを発表)。
こうした一連の流れを受けての「クローズアップ現代」では、NHKも含め、なぜテレビ業界がジャニーズの性加害問題に向き合ってこなかったのか、そして、二度と被害を起こさないために何が必要なのかが検証されるという。
ジャニーズ記者会見後のNHKのコメント
ジャニーズ事務所は、故ジャニー喜多川氏が性加害を行っていたと認めました。未成年者に対する悪質な性加害が、長期間にわたって取引企業で行われていたことを深刻に受け止めています。
ジャニーズ事務所の再発防止特別チームの調査報告書では、「マスメディアからの批判を受けることがないことから、ジャニーズ事務所が自浄能力を発揮することもなく隠蔽体質を強化し、その結果、被害が拡大した」などと指摘しています。
この問題をめぐっては、これまでも週刊誌等でたびたび報じられ、性加害の事実を認定した東京高等裁判所の判決が2004年に確定するなどしましたが、NHKは、当時、この問題について認識が薄く、その後も、取材を深めてニュースや番組で取り上げることはありませんでした。
多くの未成年者が被害にあう中で、メディアとしての役割を十分に果たしていなかったと自省しています。より深く真実に迫ろうとする姿勢を改めて徹底し、取材や番組制作に取り組んでまいります。
ジャニーズ事務所に所属するタレントの起用についても見直すべきだとのご指摘を受けています。NHKでは、出演者の起用については、番組の内容や演出に合わせて、ふさわしい人を選定してきましたが、今後は、所属事務所の人権を尊重する姿勢なども考慮して、出演者の起用を検討したいと考えております。
ジャニーズ事務所に対しては、今後の被害者救済や再発防止の取り組みについてNHKとして改めて詳しく説明を求め、その後も実施状況を注意深く確認してまいります。放送業界で人権尊重の考えがより浸透するよう、公共メディア・NHKとして、取り組みをさらに徹底してまいります。 NHK公式サイトより
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