『シン・仮面ライダー』純粋にどう思った?
……そもそも面白かったって人いますか?
え!?
いやいや、普通に面白かったっすよ。ある程度はエンタメでしたよ。
(;´・ω・)にいみさんは最近、どんな作品でも容認するからなあ……。
わかります……。
おい! ちょっと待て待て!
なるほど、わかりました。おそらく、このメンバーには否定的な意見の方が多そうですね。先に面白いと思ったという意見から聞きましょう。
どうせ否定的な意見の方が多いだろうと思ったから……俺は肯定していきたいんですけど。
全てを肯定していきましょう。
残念ながら、俺に刺さったとか、とりわけ良い点があったってことはない。
良い点がなかったって、それ面白くないってことでは……!?
……ただ飽きずに見れたのは、やっぱりカットが斬新ですし、テンポもめちゃくちゃ良かった。で、もちろんこれは人によって分かれると思うんだけど、俺の友達の息子さんとかは、普通に面白く見れたって言ってた。
その子はいくつなんですか?
たしか小1かな。
(『シン・仮面ライダー』、PG12指定だけどいいのか……?)
画面も暗いし、描写の唐突さとそれを埋めるための説明セリフの多さとか、クライマックスにいくほど戦闘シーンも結構グダグダだと思ったんだけど……でも、あのグダグダ感がある意味では特撮なんじゃないの?
そんなバカな! そんなことはないよ。それは特撮を見下しすぎですよ。
そうかな……。
うちの夫は「(『シン・仮面ライダー』は)パンフレットを読めば全てわかる」って言ってましたが、さすがに仮面ライダー、そんな安易ではないですよ。TVシリーズだと50話あるし、ちょっとずつ謎が明かされてきたりとか、物語も二転三転します。特撮だからドラマが雑っていうことはないです。
俺もそう思います。
ドラマが雑ということではなく、今回改めて初代の『仮面ライダー』とかも少し見直してみたけど、ある種のチープさはやっぱりあるとは思ったけどな。
そして『シン・仮面ライダー』で言えば、とにかく絵にはこだわってたと思います。そっちに全振りしようという方に振り切ったのではないかと。
ドラマを見せるんじゃなくて、とにかく“庵野秀明”が解釈した「仮面ライダー」の良いところ──演出とかカット割りとかアクションとかを今の特撮に全く触れてきてない新規層に向けて「こういうのあるんだよ」って提示しつつ、昭和ライダー好きの人たちに向けた大量の目配せを詰め込んで、「仮面ライダー」ファンとして満足してもらえるようにつくったんじゃないかなとは思った。
だから、俺はそのどちらでもないから刺さなかったけど、そういう意図もわかるので普通に飽きずには見れたかなという。
なるほど。ドラマや映画としてというよりも、映像作品というか、映像の見せ方というか、映像の美術作品として見れたみたいなことですかね。
多分、否定的な意見に入っていくと思うんで……「面白かった」って言ってた人の話をしていいですか?
いいですよ。
僕はにいみさんと同じく刺さらなかったんですけど、映画館で周りにいた、ちょっと若い、見るからにオタクという感じのグループが、「めっちゃ良かったわ」「熱量でつくられてた」って言ってたんですよ。
ただ、なぜ彼らにあんなに刺さってたかなと思うと、やはり庵野秀明がつくった、という点に尽きると思うんです。庵野作品が好きな人は、こういうの好きだよねっていうのとか、「仮面ライダー」好きな人は、こういうシーン好きだよねとか。そういうシーンがとにかくテンポ良く観ることができます。
ある種の庵野演出の総集編みたいな映像だったから、そういうのを見たい人にはいいのかなって思いました。だからその小1のお子さんとかも、なんか飽きずに楽しめたんじゃないかなって、今聞いてて思いましたね。
なるほど。逆に、うちの夫は「俺は庵野作品を見に行ったわけではなく、『仮面ライダー』を見に行ったんだ;;」って泣きながら帰ってきました。
俺も一点評価したいところがあって。とにかくキャラクターやヴィランの外見デザインが良いです。
それには納得感があります。ポスターとかのルックもすごいかっこいいですよね。
そこは抜群に良かったと思います。サソリオーグの親衛隊とか、ハチのビジュアルとか、特撮ファンは好きそうって感じがビンビン出ていました。
そうですね。だから、その絵づくりみたいなところに今回力入れたんだろうなっていう。
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連載
その時々のエンタメ業界に現れた覇権コンテンツについて編集部が議論する連載。コンテンツ自体はもちろん、そのコンテンツが出てきた背景や同時代性、消費のされかたにも目を向け、ネタバレ全開で思ったことをぶつけ合っていきます。
2件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:8229)
全然ダメでしょ。
結局、自分が見たいものじゃなかったという話しかしていない。
というか、ほぼ同じ意見の人どうしで話をするなら一人でいい。
同じ意見だから、互いの意見にツッコミも入らない。
座談としても、つまらない、できが悪い。
シン仮面ライダーという作品が、何をどう描こうとし、具体的にどう描かれているかという話がまるで不十分。オーグを倒す度に、本郷が彼らに黙祷を捧げることの意味や、単なる組織の殺人マニアかのように見えるクモオーグの人間性をKKオーグが語ること。母を持たないルリ子が母を失ったことで苦悶するイチローと同じ写真の中に居たかったというSF的な設定とシナリオの高度な連携。
冒頭コミュ障だと言われる本郷が、ルリ子の本心を察することで描かれる繊細さ等々、そうした丁寧な表現の積み重ねの上で世界の平和や人々を守るのではなく、むしろ守られなかった、傷つき排除された存在を救う物語が描かれる。そこにはライダーも含まれる為に最後の的はライダー0号を名乗るわけでしょう。
本郷の姿を見守るケイの存在にも言及がないし。
特撮映画だからといって、一般の映画評論についてなされるような最低限のシナリオの分析と評価はされたうえで、座談のようなことはされるべきだよ。
折角、賛否両論ある映画の座談をやろうというのなら、双方相当の理解があった上で、真っ向意見をぶつけられるようなやり方をすべきでしょ。
匿名ハッコウくん(ID:7455)
面白い記事でした
確かに特撮を復活させる!みたいな作品ではなかったと思います
シン・ウルトラマンとシン・仮面ライダーは、どちらかと言うと昭和特撮を復活させる!昭和特撮の良いところを知って欲しい!みたいな思惑の方が強いんじゃないかなと思ってます
洗練され常に新しい試みが続いてるウルトラと仮面ライダーシリーズは、蓄積していく中で削られていったものが確実にあります
そこに再度スポットライトを当てようとしていたような感じがするのです
古臭いよね、ダサいよね、そう思えるようなところにこそ
そこがいいんだよかっこいいんだよと本気で庵野秀明は思っている
シン・仮面ライダーが深く刺さった自分の戯言かもしれませんが笑