第一特集は「現代日本のSNS空間」。
ジャーナリストの安田浩一さん、ライター・小川たまかさん、政治学者の五野井郁夫さん、音楽ブロガー/ライターのレジーさん、文芸評論家の藤田直哉さん、ライターの高島鈴さんらが寄稿している。
今や最も身近な言論空間となったSNSについて、多角的な視座を共有する特集となる。
なお、第二特集は「もうひとつの資本主義へ──宇沢弘文という問い」となっている。
「ひろゆき論」でも話題になった岩波書店の『世界』
『世界』は岩波書店が1946年1月に創刊した総合雑誌。初代編集長は『君たちはどう生きるか』の著者である吉野源三郎さんがつとめた。2018年3月にはインターネット版「WEB世界」が開設されている。
最近では、『世界』2023年3月号に掲載された社会学者・伊藤昌亮さんによる「ひろゆき論――なぜ支持されるのか、なぜ支持されるべきではないのか」が「WEB世界」でも公開され大きな話題となった(外部リンク)。
6月号の寄稿者それぞれのTwitterによると、今回の特集ではチャットアプリ・Discordやキャンセルカルチャー、ミソジニーとサブカルチャーについて言及されているという。
ぼんやりと眺めていたスマホのアプリを閉じたばかりなのに、気がついたらいつのまにかアプリを起動してタイムラインを追いかけている……いまやネットはもっとも身近な言論空間だ。ニュースも流行りの話題もSNSが発信源となり、私たちの意識はSNSに常時アクセスしているかのようだ。
だが、そこで飛び交う言葉と論理は、時に暴力的で差別的だ。デマや陰謀論がたくさんの「いいね」を獲得しつつエンターテイメントのように拡散されていく。激しいリプライの応酬によって増幅された敵意で精神的に消耗する人たちも多い。それなのに、私たちはSNSを止められない。それどころか、「現実」そのものがSNS的な原理に侵食されてはいないだろうか。
バーチャルとリアルの狭間で溺れてしまわないために。多角的な視座を共有する。世界 2023年6月号/Amazon販売ページより
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