秘蔵音源を公開 岩波書店100周年事業「岩波デジタルアーカイブス」

秘蔵音源を公開 岩波書店100周年事業「岩波デジタルアーカイブス」
秘蔵音源を公開 岩波書店100周年事業「岩波デジタルアーカイブス」
今年で創業100周年を数える老舗出版社・岩波書店が、2013年8月7日(水)に、「岩波デジタルアーカイブス」というプロジェクトの計画を発表した。創業100周年記念事業の一つとして行われるこのプロジェクト。その内容は、歴史に名を残す数々の文豪、評論家、文化人などを招き開催されてきた「岩波の文化講演会」と「岩波市民講座」の講演、講義記録を音源として公開するというもの。

現在各種講演会・講座の音源のデジタル化を進めており、2014年1月初旬から順次公開する予定だ。なおその予定に先んじて、すでに「岩波デジタルアーカイブス」の特設Webページでは、学術書ながら異例のヒット作となった『無縁・公界・楽――日本中世の自由と平和』などを著した歴史学者・網野善彦さんの「日本中世の平民と職人」や、国内のユング心理学の第一人者である河合隼雄さんの「『ゲド戦記』と自己実現」、三國連太郎さん主演で映画化もされた衝撃作『飢餓海峡』の作者・水上勉さんの「わが人生と文学」など、これから全編が公開される予定の音源の一部が試聴用に公開されている。今後公開する音源については、Web上にリクエスト投票ページが設けられており、その数値を元に公開の順番を決定するとのこと。なお、リクエストの〆切は10月末日のとなっている。

100年という長い歴史の中で、文化的な価値を持ったコンテンツを多数世に送ってきた岩波書店。そんな老舗出版社だからこそ実現可能な、意義深いプロジェクトと言えるだろう。温故知新の言葉の通り、これまで世にでてくることのなかった作家たちの肉声に耳を傾けながら、刻一刻と変化していく現代のカルチャーシーンについて考えてみたいと思う。
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