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津村記久子「給水塔と亀」で川端康成文学賞受賞

津村記久子「給水塔と亀」で川端康成文学賞受賞

津村記久子さん著『とにかくうちに帰ります』(2012年,新潮社)

第39回川端康成文学賞の受賞作品が発表、津村記久子さんの「給水塔と亀」(『文学界』2012年3月号 掲載)に決まった。同賞は、その年の最も完成度の高い短篇小説に授賞される文学賞として知られている。

川端康成文学賞は、故・川端康成さんの業績を記念して設立された財団法人・川端康成記念会の事業の一環として1973年に設立された文学賞。

1968年、日本人として初めてノーベル文学賞を受賞した川端康成さんは、生前に親交の深かった三島由紀夫さんの葬儀委員長をつとめた翌年の72年に亡くなり、同年に財団法人が設立された。

川端康成文学賞は、昨年度の文芸、総合、読物の各雑誌、ならびに単行本に発表された短篇小説を対象とし、「その年度における最も完成度の高い作品に授賞する」と規定されている。また、副賞の100万円を含め、本賞は故人の受けたノーベル文学賞の賞金を基金としている。

第25回を区切りとした同賞第一期の選考委員は、吉行淳之介さん、井上靖さん、島尾敏雄さん、大江健三郎さん、水上勉さん、三浦哲郎さんらがつとめられた。2011年以降、現在の選考委員である秋山駿さん、津島佑子さん、辻原登さん、堀江敏幸さん、村田喜代子さんによって受賞作品は選考されている。

津村記久子さんは、05年のデビュー以降、小気味の良い文体で現代を生きる人間を描写した力強い作品をコンスタントに発表し続けている。『ポトスライムの舟』では、2008年下半期の芥川龍之介賞を受賞している。

昨年度の江國香織さんの「犬とハモニカ」(『新潮』2011年6月号)に続く今回の津村記久子さんの川端康成文学賞受賞で、2006年の第32回以降、女性の小説家による受賞が8回連続していることになる(ただし、2008年の第34回は、稲葉真弓さん、田中慎弥さんのダブル受賞だった)。

今後、受賞作以外の候補作品も発表されるが、贈呈式は、6月28日(金)、東京・虎ノ門のホテルオークラで行われるとのこと。

もし興味を持った方は、受賞作品は単行本未収録ながら、名だたる小説家が〝その年、最も完成度が高かった〟と賞賛する作品を著した津村記久子さんの短編作品から触れてみることをオススメする。

新潮社の川端康成文学賞ページ
http://www.shinchosha.co.jp/prizes/kawabatasho/

財団法人・川端康成記念会 川端康成 文学賞
http://www.kawabata-kinenkai.org/bungakusho.html

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