本書は戦後日本のサブカルチャー/SF論を、ゴジラというキャラクターを題材に語り尽くした1冊。戦後日本を象徴した初代『ゴジラ』に対して、震災後の日本を背負った『シン・ゴジラ』を比較し、論じていく。価格は1,800円(税抜)となっている。
戦後、「神の国」ではなくなってしまった日本において、超越的なものへの希求に応えるものとして、虚構であるサブカルチャーが応答した、という以前からの説を、ゴジラを題材に、以前より丁寧かつダイレクトに検証しているのが『シン・ゴジラ論』です。
— 藤田直哉@『シン・ゴジラ論』12月刊行 (@naoya_fujita) 2016年12月21日
不振の実写邦画を盛り上げた映画『シン・ゴジラ』
累計興行収入は80億円を突破し、邦画の実写映画としては2013年公開の『永遠の0』以来の記録を樹立。
また、上映中の声出し、コスプレ、サイリウムの持ち込みがOKな発声可能上映も行われ、注目を集めた。
あらゆるゴジラという可能性を語り尽くす一冊
『シン・ゴジラ論』著者の藤田直哉さんは、単著『虚構内存在――筒井康隆と<新しい《生》の次元>』を2013年に刊行。それに続く2冊目の単著として刊行されるのが今回の『シン・ゴジラ論』だ。
本書では、戦後の日本が患ったトラウマの象徴として「怪獣」を用いた初代『ゴジラ』を解き明かしながら、津波と原発事故が重なった東日本大震災への回答として描かれた『シン・ゴジラ』を徹底検証。巨大な災禍のシンボルとしてのゴジラと日本のあり方を問う。 また、12月22日(木)には同社より、SF作家/文芸評論家・笠井潔さんによる書籍『テロルとゴジラ』も刊行される。単著として二冊目となる『シン・ゴジラ論』は、一冊目の筒井康隆論『虚構内存在』と同じように、戦後におけるサブカルチャー論、SF論です。今回は、今事故を起こしている原子炉を作ったメーカーに勤める者の息子として、間接的に原発マネーで育った者としての、科学文化論の色が濃いです。
— 藤田直哉@『シン・ゴジラ論』12月刊行 (@naoya_fujita) 2016年12月21日
こちらは『シン・ゴジラ』を問う表題作をはじめ、小説・映画・アニメなど21世紀的文化表層の思想と政治を論じる論集となっている。
著者2人によるトークショーも開催
2017年1月17日(火)19時からは、著者の笠井さんと藤田さんによるトークショーが、東京・八重洲ブックセンターで行われる。『シン・ゴジラ』『君の名は。』と、震災から5年が経過した2016年に震災をエンターテイメントとして昇華する作品が成功したことの意義を踏まえ、サブカルと政治、2017年以降の日本の未来が語られるという。
申し込み先着順、定員は80名。どちらかの書籍を同店で購入することで参加整理券を受け取流ことができる。
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イベント情報
笠井潔さん×藤田直哉さん トークショー ~ゴジラの戦後、シン・ゴジラの震災後~
- 日時
- 2017年1月17日 (火) 19時00分~(開場:18時30分)
- 会場
- 本店 8F ギャラリー
- 人数
- 80名(申し込み先着順) ※定員になり次第、締め切らせていただきます。
申込方法
1階カウンターにて参加対象書籍をお買い上げの方に、参加整理券を差し上げます。
また、お電話によるご予約も承ります。(電話番号:03-3281-8201)
※整理券1枚につき、お1人のご入場とさせていただきます。
▼参加対象書籍
「テロルとゴジラ」(本体価格2200円、12/22発売)
「シン・ゴジラ論」(本体価格1800円、12/28発売)
主催:八重洲ブックセンター
協賛:作品社
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