『攻殻機動隊』の全てを論じる戦後日本論 評論家・藤田直哉10年の構想

『攻殻機動隊』の全てを論じる戦後日本論 評論家・藤田直哉10年の構想
『攻殻機動隊』の全てを論じる戦後日本論 評論家・藤田直哉10年の構想

『攻殻機動隊論』/画像はAmazonより

POPなポイントを3行で

  • 藤田直哉による『攻殻機動隊論』
  • 構想に10年かけ全映像作品を論じた一冊
  • 「インターネット時代の革命の希望とその後」
SF・文芸評論家の藤田直哉さんによる書籍『攻殻機動隊論』が12月24日(金)に刊行される。

本書はサイバーテロ・AI・フェイクニュース・SNS・仮想空間(メタバース)・ポストヒューマンなどを30年前に予言し、未来を創造し続けるSF作品「攻殻機動隊」シリーズを題材に語り尽くした1冊。

藤田直哉さんは本書の構想に10年を費やした。イーロン・マスクさんにも影響を与え、ハリウッドを触発し、現実を進化させたシリーズ作品の世界を徹底解剖する。

価格は2970円(税込)。

約30年前に未来を描いたSFの金字塔「攻殻機動隊」

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版』予告編
1989年に士郎正宗さんが発表した漫画『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』。これまで、小説やアニメ、実写やスピンオフ漫画など様々な形でメディア展開してきた人気作品シリーズだ。

メディアごとに世界や設定が異なるパラレルワールドとなっているが、物語は基本的に主人公・草薙素子と彼女が所属する公安9課(通称「攻殻機動隊」)の活躍を中心に描かれる。

本作が国内外に大きな影響を与えたのは、そのSF世界を支える、時代を先取りした緻密な設定の数々があげられる。人間の脳とネットワークを直接接続するため、脳にマイクロマシンなどを埋め込むバイオネットワーク技術「電脳化」、身体をサイボーグ化する「義体化」、周囲の景色と同化できる「光学迷彩」など。

そして、AIやロボットが当たり前に存在する先鋭的な未来を描くことで「人間とは何か」「自我とは何に宿るのか」を問う普遍的なテーマは、世界中のクリエイターに影響を与えてきた。

「攻殻機動隊」映像作品の全てを論じた、藤田直哉

藤田直哉さんは日本映画大学の准教授であり、SF・文芸評論家。著者として『シン・ゴジラ論』『新世紀ゾンビ論』などを手がけている。

『シン・ゴジラ論』は、戦後日本を象徴した初代『ゴジラ』から、震災後の日本を背負った『シン・ゴジラ』までを論じた一冊。

本書『攻殻機動隊論』では、原作漫画はもちろん、1995年に初映像化された押井守監督作品『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』から、神山健治さんと荒牧伸志さんが監督をつとめたNetflixオリジナルアニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』まで、シリーズの原点から最新作までの歴代作品を網羅。

神山健治監督によるテレビアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』、総監督・黄瀬和哉さんによる全4部のアニメ映画『攻殻機動隊 ARISE』、ルパート・サンダース監督による実写版ハリウッド映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』など、映像作品の全てを論じている。

世界中に衝撃を与えた「攻殻機動隊」シリーズに内在する力と日本文化の根本をえぐる、戦後日本論となる。

藤田直哉さんは自身のTwitterで本書について「インターネット時代の革命の希望とその後」と表現している。

買うべきだとゴーストが囁いている

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書籍情報

『攻殻機動隊論』

価格
2970円(税込)
出版社
作品社 (2021/12/24)
単行本
354ページ
ISBN-10
4861828813

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