伊藤忠、にじさんじ運営と医師向け動画を制作 VTuber起用効果を検証

伊藤忠、にじさんじ運営と医師向け動画を制作 VTuber起用効果を検証
伊藤忠、にじさんじ運営と医師向け動画を制作 VTuber起用効果を検証

ANYCOLOR社が運営するにじさんじ所属メンバー/画像はANYCOLORの公式サイトより

バーチャルYouTuber(VTuber)グループ・にじさんじを展開するANYCOLOR株式会社と伊藤忠商事は共同で、VTuberを起用した医師向け動画コンテンツ制作の実証を開始した。

実証動画は、慢性的な睡眠不足が課題となっている勤務医の健康改善や、研修医向けのノウハウをテーマにした内容で構成。

講演医師と併せてVTuberをアシスタントや進行役として起用し、動画に娯楽性を付加することで、視聴する医師の参加障壁を下げ、視聴数の増加や途中離脱の減少を狙う。

VTuberを起用した動画コンテンツが、医師向けの情報提供としてどのような効果がでるか、医師が利用する専用メディアサイトで検証するという。

「VTuberは視聴者が能動的にコンテンツを閲覧する」

伊藤忠の実施する動画コンテンツの一例

月ノ美兎さんや葛葉さんら人気のバーチャルライバーが所属する国内最大級のグループ・にじさんじを運営するANYCOLOR社。伊藤忠商事とは2020年4月に資本業務提携を結んでいる。

発表の中で伊藤忠商事は、規制強化やコロナ禍を経て国内製薬業界の営業手法のデジタル化が加速していると説明。

一方で、集客力やウェビナーの離脱率、専門性の高い医薬品の情報をいかに広く効率的に医師に浸透させるかといった、新たな課題解決の手法が求められているという。

VTuberがつくるコンテンツは、視聴者が能動的に閲覧する強みがあり、「通常の情報伝達手段やタレント起用に比べて、視聴者の発信情報に対する関心や共感を高める」ことに優れていると説明した。

情報伝達手段として、公的機関で採用されるVTuber

伊藤忠商事は、今回のような取り組みについて、視聴者に情報を円滑に浸透させるための手段として、VTuberの起用が拡大していると背景を指摘。

実際、公的機関でも、2022年12月に学術系VTuberユニット・まなぶいが、経済産業省が進める令和4年度「未来の教室」実証事業(テーマB)に採択。

2023年3月から「学術系Vtuberと考える“未来のバーチャル社会”」と題した教材が、STEAMライブラリー(デジタルコンテンツライブラリー)で閲覧・ダウンロードできる。
学術系VTuberユニット・まなぶいと経産省の取り組み
ほかにも、にじさんじ同様に国内大手・ホロライブの運営会社であるカバー公益財団法人日本AED財団とコラボ。

所属VTuber・白上フブキさんがAEDの普及・啓発につとめる財団の活動をサポートする救命サポーターに任命され、医療機器・AED(自動体外式除細動器)の重要性を説明する動画を投稿している。

伊藤忠商事によれば、今回のANYCOLOR社との取り組みを通じて、将来的には製薬業界から医師への効率的なコンテンツ提供に繋げることを目指すという。
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