早いもので、2022年も終わりを迎えようとしていますね。
この季節になると、メディアやインフルエンサーなどがこぞって行う「本当に、今年買ってよかったもの」の紹介。KAI-YOU.net では今回、10月からインターンをしている私、あげが担当します!
私の2022年はとにかく本をたくさん読んだ1年でした! ということで、今回は今年手に取ってよかった本をご紹介します! ※この記事には『明け方の若者たち』『傲慢と善良』のネタバレを含んでいます。
物語の中心は主人公の大恋愛なので、そちらに注目がいってしまうのも頷けます。でも、個人的な一番のポイントは、社会人になった主人公の姿が繊細に表現されているところ。
大学時代は恋愛もして、友人や趣味も多く、活気にあふれていた主人公。
しかし、社会人になると様子は一変。食べたいものが思い浮かばなかったり、変わり映えのない生活の中で起きた緊迫した場面を何故か「楽しい」と感じてしまったり。
私はまだ大学生なので、社会人になった自分が何を考えて生活しているのか想像もつきません。
それでも、物語の至るところに散りばめられた社会人のかけらが、とても現実的で恐怖すら感じました(一生学生でいたい……)。
『明け方の若者たち』で好きな一節が、主人公が好きな人からの連絡をただただ待ち続ける様子を表す場面。
この作品の見どころは、婚活が上手くいかないのはなぜかが徹底的に深堀りされている点です!
「そんなに理想高くないのになんで彼氏、彼女ができないんだろう」と悩んだことがある人、ぜひ読んでいただきたいです!
私たちは皆、自己評価は低いのに、自己愛だけは強い。作中で登場する言葉です。
『傲慢と善良』に出てくる女性・坂庭真実(さかにわまみ)は親の言う通りに育ったいわゆる「いい子」です。自分と他人を比べて「私はあんな風にはなれない」と思っていても、いざお見合いをすると「ピンと来ない」という理由だけで次回から会うのをやめてしまう。
「私はこんな人と付き合うような人間じゃない」という傲慢な考えが働いてしまっているんです。
そんなことない、と今思っている方がいれば是非手に取っていただきたいです。後半にいくにつれて坂庭真実の考えに共感しかできなくなるはずです……!
決して価格も安くないですし、大きいので持ち運びにくいのもわかります……。
ですが、単行本の特別感ってすごいんです。カバーや栞紐(スピン)の色も作り手がひとつひとつ考えているので、「この作品の栞紐はなんでこの色なんだろう」と読後に考えるのも楽しいんです。文庫本だと栞紐がない場合がほとんどなので、これは単行本ならではの楽しみ方です!
年末は1年で1番忙しい時期ですが、ひと段落ついたら携帯の電源は落として、読書に没頭するのもいいんじゃないでしょうか?
この季節になると、メディアやインフルエンサーなどがこぞって行う「本当に、今年買ってよかったもの」の紹介。KAI-YOU.net では今回、10月からインターンをしている私、あげが担当します!
私の2022年はとにかく本をたくさん読んだ1年でした! ということで、今回は今年手に取ってよかった本をご紹介します! ※この記事には『明け方の若者たち』『傲慢と善良』のネタバレを含んでいます。
社会人って、こんなもん?『明け方の若者たち』
まず紹介したいのが、Webライターとしても活躍するカツセマサヒコさんのデビュー小説『明け方の若者たち』(幻冬舎)。俳優・北村匠海さん主演で映画化もされている作品です。 大学時代から社会人にかけての恋愛模様や生活を描く作品ですが、私としては「エモい」の一言で消化されがちなんとも悔しいところ。物語の中心は主人公の大恋愛なので、そちらに注目がいってしまうのも頷けます。でも、個人的な一番のポイントは、社会人になった主人公の姿が繊細に表現されているところ。
大学時代は恋愛もして、友人や趣味も多く、活気にあふれていた主人公。
しかし、社会人になると様子は一変。食べたいものが思い浮かばなかったり、変わり映えのない生活の中で起きた緊迫した場面を何故か「楽しい」と感じてしまったり。
私はまだ大学生なので、社会人になった自分が何を考えて生活しているのか想像もつきません。
それでも、物語の至るところに散りばめられた社会人のかけらが、とても現実的で恐怖すら感じました(一生学生でいたい……)。
『明け方の若者たち』で好きな一節が、主人公が好きな人からの連絡をただただ待ち続ける様子を表す場面。
2022年に読んだ本で、一番唸った一節です。『明け方の若者たち』は、こんな素敵な表現が随所に登場する作品です。「まるで氷の溶けたミルクティーみたいな日々だった。味はしないのに惰性で飲み干して、苦味に近い甘味だけをわずかに摂取し、グラスについた水滴だけがただただウザく感じられるような、味気ない日々が続いた」
「私そんな理想高くないけどな~」それホント?『傲慢と善良』
次に紹介する作品は、辻村深月さんの『傲慢と善良』(朝日新聞出版)です。なんとなく辻村さんの作品に苦手意識があって(初めて読んだのが中学生だったから少し難しかったのだと思います)、今回久々に読んだのですが、人間の裏まで見透かしているような作品でした。 簡単に言ってしまえば、婚活アプリで出会った二人が結婚するという話。婚活アプリなんてこの時代では当たり前だし、「なにが面白いの?」と思う人も多いと思います。この作品の見どころは、婚活が上手くいかないのはなぜかが徹底的に深堀りされている点です!
「そんなに理想高くないのになんで彼氏、彼女ができないんだろう」と悩んだことがある人、ぜひ読んでいただきたいです!
私たちは皆、自己評価は低いのに、自己愛だけは強い。作中で登場する言葉です。
『傲慢と善良』に出てくる女性・坂庭真実(さかにわまみ)は親の言う通りに育ったいわゆる「いい子」です。自分と他人を比べて「私はあんな風にはなれない」と思っていても、いざお見合いをすると「ピンと来ない」という理由だけで次回から会うのをやめてしまう。
「私はこんな人と付き合うような人間じゃない」という傲慢な考えが働いてしまっているんです。
そんなことない、と今思っている方がいれば是非手に取っていただきたいです。後半にいくにつれて坂庭真実の考えに共感しかできなくなるはずです……!
本を読むなら絶対単行本!!
今回は2冊紹介させていただきましたが、もし手に取る機会があれば単行本を断然おすすめします!決して価格も安くないですし、大きいので持ち運びにくいのもわかります……。
ですが、単行本の特別感ってすごいんです。カバーや栞紐(スピン)の色も作り手がひとつひとつ考えているので、「この作品の栞紐はなんでこの色なんだろう」と読後に考えるのも楽しいんです。文庫本だと栞紐がない場合がほとんどなので、これは単行本ならではの楽しみ方です!
年末は1年で1番忙しい時期ですが、ひと段落ついたら携帯の電源は落として、読書に没頭するのもいいんじゃないでしょうか?
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