YouTubeとTwitterがショッピング機能発表 直感的な商品購入と想定される問題点

YouTubeとTwitterがショッピング機能発表 直感的な商品購入と想定される問題点
YouTubeとTwitterがショッピング機能発表 直感的な商品購入と想定される問題点

スマホでポチっと購入する前、何を見てる?

毎年恒例のAmazonの大型セール「プライムデー」の記憶も新しい今日この頃。

毎年プライムデー前になると、「サクラレビューに気をつけろ!」とか「セール前後の価格の変動は気にしておけ!」とか「怪しい業者を検索からはじく方法」とかがSNSで流れてきて、もう何も信用できないなという気分になりませんか?

先日、YouTubeのチーフビジネスオフィサー・RobertKynclさんが「視聴者の89%はYouTubeのクリエイターが商品について信頼できる情報を提供していると考えている」とする調査結果を発表しました(外部リンク)。

さらに、YouTubeは7月に、世界的なショッピングサービス・Shopifyとのパートナーシップを発表しています(外部リンク)。

これによって、視聴者はYouTube上で商品を直接購入できるようになっていくとされています(現在もストア機能自体は一部実装されています)。

確かにYouTubeのレビュー動画は参考になりますが、商品に対して複数の人間のレビューがついているショッピングサイトと違い、クリエイターの動画には基本、その人の意見しか登場しません。

クリエイターが商品のPRに関してより活躍できるようになるのはいいことですし、消費者としても信頼できる人の意見からレコメンドされるものを購入できるというのはうれしいですが、同時に、本当に正しいことを言っているんだろうか? という疑問も大きくなってしまいそうです。

Instagram/Twitterなど大手SNSがこぞって提携するShopify

Shopifyは、中小企業や個人でも簡単にショップを開設できるサービスです。

コーディングをしなくてもサービス上でオンラインショップ用のサイト作成・ドメインの取得ができるほか、オフラインでも活用可能な販売情報の管理ツール(POS)も提供。

オンラインショップである程度の売り上げを立てたら、期間限定のポップアップストアを開いたりといった展開もしやすく、世界的に利用されています。

日本国内では、2018年からInstagramとの提携を開始。Instagram上にショップを展開しアプリ上から購入ができるようになっていたほか、商品をタグ付けした投稿からも購入ができるようになっていました。

さらに、Twitterも2022年に入ってから断続的にショッピングに関する新機能を告知。

6月には、国際的なクリエイティビティ・フェスティバルであるカンヌライオンズへの参加に際して、Shopifyとのパートナーシップ提携やショップ開設機能「Twitter Shops」、プロフィール上部に商品を表示できる「Shop Spotlight」、発売予定の商品を告知ツイートからユーザーにリマインドできる「Product Drops」などの機能を改めて発表しました(外部リンク)。

「Shop Spotlight」/画像はTwitter日本公式ブログより

Googleは近年「レビュー」を優遇している

ショッピングについてはGoogleも、2021年から2022年にかけて欧米圏で、優れた商品レビューが検索で上位に表示されるよう、検索ランキングのアルゴリズムをアップデートしてきました(外部リンク)。

アップデートに伴って公開された、Googleが良いレビューを書くためのアドバイスをまとめたドキュメントには、アドバイスとして以下のようなレビューのための視点が紹介されています。

・必要に応じて、商品に関する専門知識を伝えているか。
・メーカーが提供する情報以外の独自のコンテンツで、商品の見た目や使い方を紹介しているか。
・商品に求められる各種の性能がどの程度達成されているかについて、定量的測定を提供しているか。
・競合商品との差別化要因について説明しているか。
・比較対象となる商品を示しているか。または、特定の用途や状況にどの商品が最適か説明しているか。
・調査に基づいて、特定の商品のメリットやデメリットについて述べているか。
・以前のモデルやリリースから商品がどのように改善され、問題点が解消されたかなど、ユーザーの購入決定に役立つ情報を提供しているか。
・商品が属するカテゴリの主な意思決定要因と、その分野での当該商品の性能を明らかにしているか。たとえば、自動車のレビューでは、燃費、安全性、運転のしやすさが主な意思決定要因であると判断し、そうした分野での性能を評価します。
・メーカーからの情報以外に、商品の設計と、それがユーザーに与える影響に基づいて、重要な選択肢を示しているか。 「Google の商品レビューに関するアップデートについてクリエイターが知っておくべきこと」より

さらにインフルエンサーマーケティングが重要になる?

Shopifyが発表している、YouTube上で商品を購入できる画面のイメージ

今回のShopifyとの提携により、ビジネスシーンではインフルエンサーによる商品紹介がより重要になってくると考えられます。

仮に、アフィリエイトや案件のような仕組みでレビューが自身の売り上げに直結するとなると、インフルエンサーはどうしても批判的なレビューを書きづらくなるでしょうし、現在も横行するステルスマーケティングも増加する危険性もあります。

一方で、Googleの検索では近年、コンテンツの質を測る指標の1つとして、そのコンテンツを制作しているのが専門的な知識を持っている人間か、その情報が信頼できるのかなどをまとめた「E-A-T(専門性、権威性、信頼性)」という概念が重視されています。

いずれにせよ、SNSを介してより手軽に商品が購入できる状況になったとき、私たちは慎重に判断していく必要があるでしょう。

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