チャンネル登録者数世界一のアメリカ人YouTuber・MrBeast(ミスタービースト)さんが6月27日、リリースしていた「AIサムネイル生成ツール」の提供を中止した。
このツールは、MrBeastさんが共同開発したYouTube分析プラットフォーム「Viewstats」の有料プランであるPro機能として導入されたもの。
人気YouTuberのサムネイル傾向を学習し、視聴される可能性の高いサムネイルをAIで自動生成することを目的としていた。
世界1位のMrBeastによるYouTuber支援ツール「Viewstats」
MrBeastさんは、エジプトのピラミッドを貸し切っての撮影など、大規模な企画で知られるYouTuber。
6月2日には、YouTubeのチャンネル登録者数が前人未到となる4億人を突破したことも記憶に新しい。
「Viewstats」はMrBeastさんと、彼の動画制作を手がけてきたChucky Applebyさんが共同でリリースしたYouTuber向けの分析・成長支援ツール。
2023年12月にベータ版が公開され、以降は動画の成功要因を解析し、キーワードやURLから類似サムネイルを検索する機能などが提供されている。
AIによるサムネイル検索も提供している「Viewstats」/画像は公式Xより
サムネイル画像のAI生成にYouTuberから批判が殺到
今回提供が中止された「AIサムネイル生成ツール」は、テキストによるプロンプトでサムネイル画像が生成できる機能。
さらに、既存の動画のURLから、そのサムネイルに類似した画像を作成する機能などがリリースされていた。
しかし、このツールが公開されるとSNSなどでは批判が殺到。
YouTuberのPointCrowさん(登録者数261万人)は「MrBeastは自分のサムネイルを盗んだチャンネルについて文句を言いながら同じことをより速く、より安価に実行できるツールをつくるのか」とXに投稿。
同じくYouTuberのJacksepticeyeさん(登録者数3100万人)も、自身のロゴやサムネイルが「AIサムネイル生成ツール」のプロモーション動画に使用されたと非難していた(プロモーション動画は削除済み)。
MrBeast、方針を転向「AIではなくアーティストを雇おう」
こうした反応を受け、MrBeastさんは6月27日にX上で「完全に的外れだった」と発言。
AIサムネイル機能の即時撤去を発表し「AIツールではなく、現実のサムネイルアーティストを雇おう」という新たな方針が掲示された。
なお「Viewstats」では現在、クリエイターに向けた「サムネイルアーティスト募集」の案内も行っている。

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