2025年の大阪・関西万博の閉幕後、利用客がほとんどいなくなった夢洲駅を探索するゆっくり実況動画が注目を集めています。
YouTubeチャンネル「ジジの資料保管庫」が4月17日に公開した動画「万博閉幕後の夢洲駅に来た霊夢と魔理沙。【Liminalspace】」は、4月24日時点で再生数は20万回を突破。
無人の公共空間が持つ、独特の美しさと不気味さが話題となっています。
万博のために生まれた駅が、役割を終えたとき
夢洲駅は、大阪・関西万博の来場者輸送を目的として整備された地下鉄駅。
万博期間中は1日平均15万人以上が訪れ、巨大イベントの玄関口として機能していました。
駅構内は、折り紙をモチーフにした天井や、全長55メートルの大型映像展示「異世界劇場」など、未来的なデザインが特徴。人の流れを前提に設計された、いわば劇場としての駅ですね。
しかし動画に映るのは、その役割を終えたあとの姿。
広大なコンコース、3列のエスカレーター、淡々と流れ続ける巨大スクリーン——そのどれもが、ほとんど人のいない空間の中で、どこか持て余されているように見えます。
改札外の売店には、万博公式キャラクター「ミャクミャク」のグッズ販売用のポップが残されたまま。賑わいの記憶だけが、そこに置き去りにされているような光景です。
万博公式キャラクター「ミャクミャク」のグッズ販売用のポップ/画像はYouTubeより
「誰もいないのに、どこか落ち着く」リミナルスペースの感覚
この動画を支えているキーワードが「リミナルスペース」です。
駅や廊下、商業施設といった場所が、無人になることで現実感を失い、どこか異質な空間として感じられる現象。
不気味さと同時に、なぜか落ち着くような感覚を伴う——そんな「新しい恐怖の美学」として、インターネットを中心に広まってきました。
真新しくて清潔で、誰もいない/画像はYouTubeより
現在の夢洲駅はまさにその典型といえるでしょう。過剰なほど整備された設備と、そこにいない人々の気配。その落差が、空間をリミナルスペースへと変貌させてしまう。
動画内では、駅のクリーンな内装について「テクノゼン」という言葉を使って言及。自然とテクノロジーの調和を思わせるシンプルな設計が、静寂の中でより際立っています。
祭りのあとに残るものは何だろう──役割を失ったインフラ
動画後半では、深夜の地下鉄駅も登場。かつてゲーム『8番出口』とのコラボイベントが行われた場所として紹介されます。
『8番出口』は、見慣れた地下通路に潜む変化を探すゲームとして、映画化されるほどの人気を集めました。
怪物や派手な演出ではなく「日常のわずかなズレ」が恐怖になる。今回の夢洲駅の映像も、それに近い感覚を呼び起こします。
どこか『8番出口』の雰囲気を感じる通路/画像はYouTubeより
ただしそこにあるのは異変ではなく、現実の都市インフラが役割を失っているという事実。
何も起きていないのに、どこかおかしい。人がいないだけで、風景はこんなにも意味を変えてしまうのですね。
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連載
日夜生み出されるポップな動画たちを短く紹介する人気連載。 ソーシャルメディアやまとめブログ、バイラルメディアなど、 動画系コンテンツへの注目は常に集まっていますが、 KAI-YOUでは「POP」を軸に、話題の動画を紹介していきます。


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