『Minecraft』でNFTは禁止に 「一緒に遊ぶ」ゲーム性との不一致を問題視

Minecraft: Java & Bedrock Edition – 公式トレーラー

Minecraft』についてNFTのサポートおよび許可をしない意向を、ゲーム開発会社・Mojang Studiosが7月20日に発表。

ブロックチェーン技術を用いた、MODの導入やワールド・スキン・アイテムなどのデジタル資産化を禁止することが明記された。

その理由についてMojang Studiosは、「NFTが(同社の)ガイドラインと『Minecraft』の精神に反する、希少性や排除のモデルをつくかねない」ためと説明している。

一部企業が『Minecraft』のNFTを開発

NFT(ノン・ファンジブル・トークン、非代替性トークン)は、ブロックチェーン上の識別子をデジタルデータに紐付け、その「所有権」を証明する技術。ビットコインなどと同じく暗号資産のひとつ。

2021年、Twitter創業者であるジャック・ドーシーさんの初ツイートが3億円超で落札されたり、デジタルアーティスト・Beepleさんの作品が約75億円で落札されたことなどが話題に。

クリエイターたちの新たな収益モデルとして、また投資家たちの新たな投機対象として注目を集め、以降名だたる大企業やアーティストも相次いで参入している。

Mojang Studiosの説明によれば、最近『Minecraft』のワールドやスキンに関連するNFTの実装した企業や、『Minecraft』内の活動とNFTとを紐づけるような事例が存在しているという。

「一緒に遊ぶ」ゲーム性との不一致を問題視

Mojang Studiosは、NFTによって持つ者と持たざる者が存在してしまうことを指摘。

「所有権」のあるNFTはその性質上、「creative inclusion and playing together(筆者訳:創造的一体性・共遊)」という『Minecraft』の価値観に一致しないと説明した。

NFTの中には予告なく姿を消す可能性があるものがあること、過去にNFTが人為的または詐欺的につり上げられた価格で販売された例があることも指摘。サードパーティー製のNFTを購入したプレイヤーが損失を受ける可能性も懸念しているという。

さらに、NFTの投機的側面に対して、Mojang Studiosは「利益追求を助長するものであり、プレイヤーの長期的な喜びと成功とは矛盾している」と述べた。

開発「『Minecraft』のクリエイティブには本質的な価値がある」

Mojang Studiosは、「『Minecraft』内でつくられたクリエイティブには本質的な価値がある」とし、「その価値が認められている市場を提供するよう努めている」と意志を表明。

「上記の原則が守られるよう、ブロックチェーン技術が時間とともにどのように進化していくかを注視し、より安全な体験やゲームにおける他の実用的で包括的なアプリケーションを可能にするかどうかを判断していく。ただし、今すぐ『Minecraft』にブロックチェーン技術を実装する予定はない」と結んだ。

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