最新作『犬王』が現在公開中の湯浅政明さんや関係者へのインタビューなどが掲載される。
稀代のアニメーター・湯浅政明のこれまで
これまでに『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』『カイバ』『マインド・ゲーム』『四畳半神話大系』『映像研には手を出すな!』などを手がけてきた湯浅政明さん。数々の傑作を制作してきたが、キャラクター原案に松本大洋さん、脚本に野木亜紀子さん、主演キャストにアヴちゃん(女王蜂)と森山未來さんを迎えた『犬王』を最後に、休養に入ると宣言している。
すでに2020年3月にサイエンスSARUの代表を退任。今後は休養しながら次の準備を進めるとしており、一時的に制作現場から離れる見込みだ。
稀代のアニメーターのこれまでを振り返る必読の書になりそうだ。
『ユリイカ』湯浅政明特集号の目次
❖インタビュー
『犬王』をめぐる想像/創造の力 / 湯浅政明 聞き手=細馬宏通
❖語りの応答
返辞 / 古川日出男
❖ダブルインタビュー
手に負えない二人のニケツ / アヴちゃん(女王蜂)+森山未來 聞き手=編集部
❖『犬王』に寄せて
『犬王』公開おめでとうございます。 / ねむようこ
❖『犬王』なる稀代の語り物
夢の一人称と二人称——犬王の異眼、友有の耳 / 細馬宏通
ふたりの欠落者——能楽師が観る『犬王』 / 安田 登
現在に近づいてくる物語 / 中田健太郎
翻案者としての湯浅政明 / 石田美紀
『犬王』、その優れた音画の吸引力(アトラクション) / 王 琼海
❖『犬王』の語り手/弾き手たち
六〇〇年後の世界から / 湯浅政明×野木亜紀子
壮大な語り物 / 湯浅政明×大友良英×後藤幸浩
❖コラボレーションの超克
湯浅さんの巨大な構想 / 牛尾憲輔
出合いなおすリアリティ / KEN THE 390
Easy Breezy / Rachel(chelmico)
❖湯浅政明という彗星
アニメーションのゆがみ——湯浅政明と『犬王』 / トーマス・ラマール 訳=田村正資
人間への生成変化——湯浅政明のアニメーション世界について / 石岡良治
色彩の明滅と展開——アニメーションの色表現 / 森友令子
揺籃としてのポスト・アニメブーム——亜細亜堂作品と湯浅政明の初期フィルモグラフィから /木村智哉
世界をもっと面白がるために——『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』と設定デザイナーとしての湯浅政明 / 陰山 涼
❖対談
響き交わすふたりの声——ダンスステップとともに / 湯浅政明×山田尚子 司会・構成=高瀬康司
❖ユアサバースへの招待
湯浅監督とのお仕事 / 上田 誠
浅草氏のSEが聞こえる / 伊藤沙莉
解放するアニメーション / 岩井澤健治
❖オマージュイラスト
みんな雲の中 / 道満晴明
すくい / 阿部洋一
カイバ / 大童澄瞳
❖踊る線、煌めく画
深夜にはすべてが許されている——混淆という観点から見る『マインド・ゲーム』 / 小倉健太郎
幻想を賦活(アニメート)する——アニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』における翻案(アダプテーション)の分析 / 竹内未生
湯浅政明作品におけるデフォルメと写真的イメージの関係性について——『夜明け告げるルーのうた』をきっかけに / 塚田 優
ボーイミーツガールにおけるささやかな奇跡——『きみと、波にのれたら』と片寄涼太の声 / 髙橋 優
❖討議
「もしこの世界がもっとまともなら、スーパースターになっているはずです」 / クリス・ロビンソン×土居伸彰 訳=土居伸彰
❖そのイマージュを捕まえて
非人間の食と性——『ケモノヅメ』の形態学的試論 / 増田展大
SF作家としての湯浅政明——『カイバ』論 / highland
マンガが動き出すとき、キャラクターはどこに行くのか——『ピンポン THE ANIMATION』と二・五次元 / 岩下朋世
メタモルフォーゼによる断罪——『DEVILMAN crybaby』は如何にして黙示録を実現したか / 足立加勇
断層・媒質・混成——『日本沈没2020』を読みなおす / 佐藤 颯
絵を動かすこと、絵を重ねること——『映像研には手を出すな!』とアニメーションの条件 / 三輪健太朗
❖湯浅政明は動きつづける
湯浅政明監督作品解題 / 渡邉大輔
サイエンスSARU年譜 / 飯田一史 Amazonから
関連商品
出版社:青土社
発売日:2022年6月6日
ISBN-10:4791704185
ISBN-13:978-4791704187
湯浅政明の功績
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント