発売日は3月28日(月)、価格は1650円(税込)となっている。
「定義がないのが定義」と謳われるほどにジャンルレスなシーンを形成している音楽ムーブメント「ハイパーポップ」は、商業主義による介入を拒絶しつつ、今まさに拡大・深化を遂げている。
本書は、現在もっとも先鋭的な音楽文化に迫る特集号となる。
【目次】
特集*hyperpop——A. G. Cook、Charli XCX、100 gecs、そして…加速する音楽のゆくえ
❖座談会
居心地のよい場所――hyperpopが照射するもの / tomad×~離×namahoge
❖クラッシュする音像
目の前で鳴っている / Tomggg
hyperpopのおかげ / hirihiri
バイクの交通事故 / ウ山あまね
❖メールインタビュー〈1〉
今では誰もがつながっていて / Sputnik aka. Weatherday(聞き手・構成=編集部)
❖what is…?
反定義の音楽を定義するもの――ハイパーポップのひずみ・速さ・非歴史性について / 天野龍太郎
選ばれた声色、素材、最高じゃない私 / 山形一生
無邪気さと衝動――変性したポップ・パンク / 髙橋翔哉
hyperpopの音響とそのフォーマット / 中村将武
❖メールインタビュー〈2〉
心にいつも大きな♡を / caro♡(聞き手・構成=編集部)
❖ガムと星空とキャンディ
hyperpop前夜――バブルガム・ベースと〈PC Music〉、ソフィー / 坂本哲哉
ポップが反抗的・先鋭的であることの意味 / 小室敬幸
美の愛の音楽 / 原島大輔
開かれた逸脱――アルカはハイパーポップなのか? / 木津 毅
❖インタビュー〈1〉
しあわせな勘違い / lIlI(聞き手・構成=編集部)
❖hyperする時代
ハイパーポップと流動的アイデンティティの時代 / さやわか
なぜ私はhyperpopをうまく聴くことができないのか?――音楽のラベル、感情のスタイル、TikTokはロゼッタ・ストーン / 難波優輝
非「新しい」ジャンル的な何かとしてのhyperpop――プレイリスト、ジャンルタグ、プラットフォーム / 日高良祐
❖夕方のピアノ
わたしハイパーわからない / uami
更新される普遍 / yuigot
❖インタビュー〈2〉
救済の共同墓地 / trash angels(Amuxax+siyuneet+okudakun)(聞き手・構成=namahoge)
❖五時の月
どうせ死ぬので。J-hyperpop/背徳グルメ/揺らぐ肉体[DEMO](DEAD*AT*18) / つやちゃん
ハイパーポップの諦念――宇多田ヒカルとA. G. Cookのコラボレートに寄せて / 伏見 瞬
Vaporwave、Distroid、hyperpop――二一世紀のネット音楽におけるgender performanceについて / 灰街 令
❖hyperpopに近づくためのディスクガイド60
海外篇35 / namahoge
国内篇25 / 鉄砲女郎
■忘れられぬ人々*6
故旧哀傷・北川太一 / 中村 稔
■物語を食べる*15
労働という苦役からの解放 / 赤坂憲雄
■詩
蔦の城 / 大島静流
■第27回中原中也賞発表
國松絵梨『たましいの移動』
受賞詩集より――渦れる New たましいの移動 朝をぬける
荒川洋治 井坂洋子 佐々木幹郎 高橋源一郎 蜂飼 耳
■今月の作品
東堤翔大・広橋山羊・戸上唯・小川茉由 / 選=大崎清夏
■われ発見せり
“笑爆”を落とせ / 大尾侑子
表紙・目次・扉 = 北岡誠吾 青土社商品ページより
ジャンルを超越する音楽・hyperpopとは
2019年に作成されたSpotify上のプレイリスト「hyperpop」に端を発する。
プレイリストには、様々なポップミュージックを取り入れ独自のスタイルを確立したネット音楽が多く取り上げられ、多くの若きアーティストが躍進を遂げた。
さらに、hyperpopのキーパーソンらが性的マイノリティであることを公表して活動を行うことで、ジェンダーなどの壁を超え、広く受け入れる多様性に富んだシーンへと発展した。
ビジュアル面では、ノイズやバグ、エラーの表現、雑なクロマキー合成や荒い画質を用いるMVが特徴。
アーティストのアバター・イラスト化など、日本のポップカルチャーと結びついた文化的側面も見られる。
代表的なアーティストは、100 gecsやA.G.Cookさん、Charlie XCXさんなど。
日本でも、4s4kiさんやウ山あまねさん、Kabanaguさんなどが、hyperpopシーンを形成しているアーティストとして知られる。
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