「Jホラーの現在」と題して、9月に相次いで公開が控える日本のホラー映画について特集している。
“Jホラー”の連続公開控え文化を考察
ジャパニーズホラーの代表作とも呼ばれる『リング』や『呪怨』の公開から20年以上が経過し、確固たる地位を築きつつも、新たな実験を続けているという日本のホラー映画。【本日発売!ユリイカ9月号】
— 青土社 Official info (@seidosha) August 29, 2022
特集=Jホラーの現在
『リング』『呪怨』の公開から20年あまり、いまも“Jホラー”の文脈は息づいている。9月には『この子は邪悪』『ザ・ミソジニー』『“それ”がいる森』が待っている……。Jホラーの現在を恐れずふり返ってみるとしよう。https://t.co/f7jiBjE02c pic.twitter.com/M66cNQt1mi
『ユリイカ』最新号では、そうした現在の日本のホラー映画シーンにおいて何が起きているのかを集約。表紙にも登場した9月9日(金)公開の映画『ザ・ミソジニー』の監督・高橋洋さんへのインタビューをはじめ、様々な視点からJホラーの現在地を明らかにする。
奇しくも9月には、Jホラーの公開が相次ぐ。9月1日(木)には小説・脚本家である片岡翔監督の『この子は邪悪』、9日には前述した高橋洋監督の『ザ・ミソジニー』、30日(金)には『リング』を手掛けた中田秀夫監督の『"それ"がいる森』と続き、さらに10月28日(金)には『貞子DX』も公開される。
また、ツイキャスの怪談チャンネル「禍話」のかぁなっきさん、YouTubeフェイクドキュメンタリーシリーズ「Q」の寺内康太郎さんと皆口大地さんによる座談会も実施。それぞれの視点から“Jホラー”を紐解いていく。
【特集*Jホラーの現在——伝播する映画の恐怖】
【目次】
【インタビュー】
恐怖の感覚のありか / 高橋洋 聞き手=宮本法明
【どこから来たのか、どこへ行くのか】
母娘と「うつす」こと——高橋洋の映画世界における女性性の考察 / 木下千花
生まれることは呪われること——Jホラーの妊娠をめぐる表象 / 宮本法明
「復興運動」としてのJホラー——幽霊映画の埋もれた水脈とシネマの妄想 / 横山茂雄
〈怖れるもの〉から〈怖れられるもの〉へ——『霊的ボリシェヴィキ』の霊術的根拠 / 栗田英彦
【Jホラーは見つめ返す】
『ほんとにあった怖い話』——再発DVD、再認識、その真価! / 鶴田法男
霊的マイノリティーが問う「体感的霊障はJホラー作法で表現可能なのか?」問題 / 三宅隆太
呪いのその先を歩く / 中川奈月
【マンガ】
はじまりのJホラー / 椎名うみ
【貞子と伽椰子に導かれて】
『リング』という希望 / 郡司ペギオ幸夫
怨霊たちのいるところ——『リング』と『呪怨』のリメイク比較 / 小澤英実
「呪怨シリーズ」と永遠回帰の思弁的再解釈 / 仲山ひふみ
「災厄」としての妊娠・出産——ドラマ『呪怨 呪いの家』におけるジェンダー / 橋迫瑞穂
【創作】
『幽霊菌』と密室の謎 / 大島清昭
【Jホラーよ、憑依せよ】
映画版の貞子が幽霊の目撃に影響があった? / 田辺青蛙
ホラー映画に何が求められているのか / 芦花公園
【日本の映画はおそろしい】
仄暗い水の底からの叫——団地映画としてのJホラー / 今井瞳良
上半身と下半身の「あいだ」——黒沢清『予兆 散歩する侵略者』における歩行と手 / 早川由真
「生き返り」の幻視——ホラー映画の手前で / 川崎公平
蜂起せよ、と女優霊は言った / 田村千穂
Jホラーにおけるいくつものジェンダー化された空間(gendered spaces)——映画『劇場版 零 ゼロ』の〝女子だけの世界〟 / リンジー・ネルソン 訳=吉田育未
Jホラーとゾンビが接するところ / 福田安佐子
【いまここにある恐怖】
今もなお 無気味なもの / 小中千昭
〈恐怖〉にアクセスするための回路——『リング』『残穢』そして『裏バイト:逃亡禁止』へ / 佐々木友輔
【戦慄の領域へ】
地理学で読み解く『呪怨』と「恐怖の村」 / 鈴木晃志郎
村と駅——ネット怪談における異界的儀礼と異世界的バグの存在論 / 廣田龍平
解放区 / 逆卷しとね
Jホラーの何が心霊実話なのか?——実話怪談、ドキュメンタリー、心霊写真 / 高田敦史
【座談会】
恐怖の果ての果てまで / かぁなっき×寺内康太郎×皆口大地
【Jホラーを観測する】
「呪いのビデオ」の現在地——氾濫する心霊ビデオたち / 鈴木潤
「Jホラーゲーム」は可能か?——メタ・インターフェースと降霊としてのプレイ / 向江駿佑
『真景累ケ淵』と『怪談』における恐怖の語り——Jホラーは怪談噺の夢を見るか? / 斎藤喬
霊と籤——写真と霊のあらわれの演劇性または意図性について / 大岩雄典
死の投影者(projector)による国家と死——〈主観性〉による劇空間ならびに〈信〉の故障をめぐる実験場としてのホラーについて / 山本浩貴(いぬのせなか座)
【資料】
Jホラーの現在をめぐる作品ガイド / 藤原 萌+宮本法明
【忘れられぬ人々*11】
故旧哀傷・小林昭 / 中村稔
【物語を食べる*20】
二本足の豚たちが動物農場をゆく /赤坂憲雄
【詩】
ここにいる人たちはみんな回転するものが、自動的に回転するものが好きだ / 山田亮太
【今月の作品】
たかすかまさゆき・小川芙由・奥山紗英・広橋山羊 / 選=大崎清夏
【われ発見せり】
赤子と青豆 / 秋元陽平 青土社公式サイトより
関連商品
出版社:青土社 (2022/8/29)
発売日:2022/8/29
言語:日本語
ISBN-10:4791704215
ISBN-13:978-4791704217
寸法:14.4 x 1.6 x 22.1 cm
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書籍情報
ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在 ―伝播する映画の恐怖
- 出版社
- 青土社 (2022/8/29)
- 発売日
- 2022/8/29
- 言語
- 日本語
- ISBN-10
- 4791704215
- ISBN-13
- 978-4791704217
- 寸法
- 14.4 x 1.6 x 22.1 cm
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