文京区が、SNSを介した犯罪勧誘「闇バイト」の危険性を学ぶ体験型教育プログラム「レイの失踪」を、6月から区内の1校を除く9校の区立中学校において導入した。
このプログラムは、慶應義塾大学の現役学生が立ち上げたスタートアップ・Classroom Adventure(クラスルームアドベンチャー)が開発した教材。
生徒たちは架空のSNSを探索しながら、失踪した友人「レイ」の足取りを追い、犯罪グループによる勧誘の手口を疑似体験する。
文京区では2026年度、区内中学校9校を対象に導入を開始。ゲームのような形式で物語を進めながら、闇バイトに巻き込まれないための知識を身につける。
SNS上ではじまる犯罪勧誘を追体験できる「レイの失踪」
「レイの失踪」で生徒は、作中のSNSを調査し、レイがどのような経緯で犯罪グループに接触し、抜け出せなくなっていったのかを追っていく。
「レイの失踪」概要
プログラムを通じて、生徒は以下の3ステップを体験的に学んでいく。
1. 狙われない:どのような投稿が犯罪グループの標的になるのかを理解し、自らの情報発信を見直す。
2. 騙されない:巧妙な勧誘手口や隠語を見抜くリテラシーを養う。
3. ハマらない:一度関わると抜け出せなくなる仕組みを理解し、自分や友人を守る方法を学ぶ。
どのような投稿が犯罪者から狙われやすいのか、巧妙な勧誘手口や隠語を見抜くリテラシー、一度関わると抜け出せなくなる仕組みを学ぶ構成だ。
「レイの失踪」の授業の様子
生徒たちが犯罪リスクを「自分ごと」として捉え、危険を回避する実践的な力を育むことを目指すという。
闇バイト関連の逮捕者は多くが10代・20代の若者
近年、闇バイトをきっかけとした特殊詐欺や強盗事件が社会問題化している。
深刻化する闇バイト問題
警察庁の統計によれば、闇バイト関連の逮捕者の多くを10代・20代の若者が占めており、中には中学生が含まれるケースも報告されているという。
文京区では2025年にも同プログラムを活用した啓発イベントを実施しており、今回はその取り組みを区立中学校へ拡大する形となる。
「レイの失踪」手がけたのは慶應大学のEdtechスタートアップ
闇バイト追体験プログラム「レイの失踪」を手がけたのは、慶應義塾大学の現役学生が立ち上げたEdtech(教育とテクノロジーを掛け合わせた造語)スタートアップであるClassroom Adventure。
これまでに、誤情報・偽情報をテーマにした主力プログラム「レイのブログ」は世界14カ国以上で50000人以上が体験。また、今回文京区が導入した「レイの失踪」は、東京都、兵庫県、鳥取県をはじめとする全国の自治体や教育機関と連携して導入が進んでいる。
「レイの失踪」の授業の様子
さらに、2024年からはファクトチェック(真偽検証)の技術を競う国際大会「Youth Verification Challenge(現 GenAsia Challenge)」を米Google社より引き継いで主催している。
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント