総務省が8月31日、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)に基づく「大規模特定電気通信役務提供者」として、ピクシブ株式会社やnote株式会社など4者を新たに指定した。
対象となったのは、イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブ株式会社、メディアプラットフォーム「note」を運営するnote株式会社、「ガールズちゃんねる」を運営する株式会社ジェイスクエアード、そして「好き嫌い.com」を運営する個人の計4者。
指定を受けた事業者には、インターネット上の誹謗中傷などによる権利侵害への削除対応の迅速化や、運用状況の透明化に向けた措置が義務付けられる。
「好き嫌い.com」や「note」などに権利侵害情報への対応の迅速化や透明化を求める
情報流通プラットフォーム対処法とは、旧プロバイダ責任制限法を改正して2025年4月に施行された法律。
インターネット上で違法/有害情報が短期間に広く拡散する状況を踏まえ、大規模なプラットフォーム事業者に対し、権利侵害情報への対応の迅速化と、その運用状況の透明化を求めている。
大規模特定電気通信役務提供者の指定要件には、平均月間発信者数が1000万人以上であることなどが定められており、これまでにGoogle(YouTube)、LINEヤフー、Meta(Facebook、Instagram、Threads)、TikTok、Xなどの大手プラットフォームが指定されている。
その後、Pinterest、サイバーエージェント(Amebaブログ)、湘南西武ホーム(爆サイ.com)、ドワンゴ(ニコニコ)が追加されており、今回が3回目の指定となる。これで指定された事業者は計13者となった。
「侵害情報調査専門員」の選任を義務化 権利侵害情報の削除の判断、原則7日以内に通知
大規模特定電気通信役務提供者には、権利を侵害された人から投稿などの削除申出を受け付ける方法を公表し、申出があった場合には必要な調査を行うことが求められる。
また、専門的な知識や経験を持つ「侵害情報調査専門員」の選任、投稿を削除する際の基準の策定/公表なども義務付けられる。
削除申出については、原則7日以内に対応を判断し、その結果を申出者へ通知する。申出のあった情報を7日以内に必ず削除することではなく、削除するか否かを判断して通知することが求められている。
さらに事業者は、削除した件数/削除しなかった件数のほか、AIを用いた投稿削除やアカウント停止の件数、日本語を理解するコンテンツモデレーターの人数や体制などについても公表することになる。
賛否渦巻く「好き嫌い.com」も対象──過去には法的対応も受ける
これまで大規模特定電気通信役務提供者には、XやTikTokといったSNS、「爆サイ.com」などの掲示板が指定されてきた。
今回は新たに、イラストコミュニケーションサービスの「pixiv」、文章を中心とした創作プラットフォームの「note」、女性メディアとして国内最大級のアクセス数を謳う掲示板「ガールズちゃんねる」、有名人などを対象にした“みんなのホンネが集まる場所”と称する好感度調査サイト「好き嫌い.com」が加わった形だ。
新たに追加された中で、唯一個人運営として指定された「好き嫌い.com」は、「好き/嫌い」を匿名で投票/コメントできる投票兼掲示板サイト。
テレビを中心に活動する芸能人やタレントからネットで人気を集めるストリーマーやVTuberなどについても多数のページがつくられており、コメント欄では誹謗中傷をめぐる発信者情報開示請求などが問題となってきた。
昨今、若年層を中心に隆盛を極める“推し活”文化とも密接に関わっており、公表されてはいないものの「好き嫌い.com」で交流するユーザー数は莫大なものであることが推察される。
過去には、2025年に当時eスポーツチーム・ZETA DIVISIONに所属していたストリーマーの関優太さんらへの殺害予告が投稿されたほか、VTuberグループ・ぶいすぽっ!が誹謗中傷の情報開示請求などを行う対象として名指しで取り上げるなど、近年言及される機会が多くなっている。
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