カバー株式会社が7月23日(木)、同社が運営するVTuber事務所・ホロライブプロダクション所属タレントへの権利侵害を行った人物を特定し、示談が成立したことを発表した。
対象者はSNS上で、所属タレントを名指しして誹謗中傷を投稿。タレントの社会的評価を不当に貶め、人格的な尊厳を侵害していたという。
裁判所がタレントへの権利侵害を認めたことを受け、カバー社は発信者情報開示請求を通じて投稿者を特定。その後の交渉により、対象となった1投稿について150万円の損害賠償金を支払うことなどを条件に示談が成立した。
なお、対象となったタレント及び投稿者の氏名やアカウント名は公表されていない。
イベント欠席理由を「嘘」と断定 異性関係を巡る卑猥な憶測も
カバー社の発表によれば、対象者は所属タレントがイベントを欠席したことについて、正当な理由があったにもかかわらず「嘘をついている」と決めつけて中傷していたという。
さらに、タレントの私生活や異性関係を巡り、根拠のない卑猥な憶測を交えながら、執拗に罵倒/侮辱する投稿を行っていたという。
カバー社は、一連の投稿について「所属タレントの活動を著しく妨害するきわめて悪質なもの」と説明。
対象者との間で成立した示談には、損害賠償金の支払いに加え、謝罪文の提出、今後はカバー社の所属タレント全員に対する誹謗中傷を行わないことの確約、違反した場合の違約金支払い義務が盛り込まれた。
カバー社は、虚偽の事実に基づく誹謗中傷は名誉毀損や侮辱に、根拠のない憶測を含む私生活上の情報の流布はプライバシー権の侵害になり得ると注意を呼びかけた。
なお、150万円という金額は当事者間の示談によって決まった損害賠償金であり、裁判所が賠償額として命じたものではない。裁判所が認めたのは、発信者情報開示請求の前提となるタレントへの権利侵害である。
ホロライブ運営カバー社、2025年度は149件の法的対応
カバー社は、ホロライブプロダクションの所属タレント及び自社スタッフに対する誹謗中傷や権利侵害への対応状況を継続的に公表している。
2026年3月にも、所属タレントに関する事実無根の情報をSNSへ投稿した人物を、発信者情報開示請求によって特定。謝罪やSNSアカウントの削除、損害賠償金の支払いなどを条件に示談が成立したと発表していた。
また、4月に公開された2025年度の対応報告によれば、2025年4月1日から2026年3月31日までに行った法的対応は、訴訟や刑事事件を含めて149件。X、YouTube、TikTokにおける投稿の削除対応は1411件にものぼる。
カバー社は今回の声明で、SNSへの投稿や配信上のチャット、コメントについて「良識のある意見表明・情報発信」を心がけるよう強く要請。
所属タレントが安心して活動に専念できる環境を守るため、今後も権利侵害行為に対して法的措置を講じると表明した。次回の対応状況は、2026年10月ごろに公表する予定としている。
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