AI二次元創作プラットフォーム「PixAI」が7月16日、追加学習モデル・LoRAを自作及び公開するクリエイター向けの還元制度を正式に実装した。
これは、同サービスの3周年ロードマップで発表されていたクリエイター支援策を実現したもの。
利用され続ける限り継続してクレジット(=サービス内で画像を生成する際などに消費されるポイント)還元を受けられる仕組みへと刷新した。
アニメ調/二次元イラストに特化したAI創作プラットフォーム「PixAI」
「PixAI」は、アニメ調/二次元イラストに特化したAI創作プラットフォーム。2022年10月にサービスを開始。現在、全世界で1,500万人以上のユーザーが利用しているという。
本サービスには、ユーザーが「PixAI」内でLoRAを作成/公開し、ほかのユーザーがそれを利用して画像を生成するたびにクレジットが還元されるシステムが存在している。
今回のアップデートでは、これまで1つのLoRAにつき累計200,000クレジットまでと設定されていた還元上限が撤廃。
これにより、公開したLoRAがほかのクリエイターに継続して利用される限り、作者は長期的に還元を受け取ることが可能になった。
LoRAの不正利用を防ぐためのルールも追加
なお、今回のクレジット還元制度の正式実装にあたり、累計還元額に応じて、還元率が5%から1%まで段階的に下がる仕組みも追加されている。
ただし、「PixAI」によれば、旧プログラムでの上限であった200,000クレジットに達するまでは、これまでと同様の条件で還元を受けられるという。
さらに、クレジット還元の配布スケジュールが見直され、毎週月曜日にまとめて配布する方式へと変更。
加えて、不正利用を防ぐため、今後新たに公開するLoRAは初期設定で「還元に参加しない」状態となり、一度還元に参加したLoRAは、公開状態では削除できなくなるなどの変更が加えられている。
特定クリエイターの作風を再現するLoRAを巡る議論も
一方、LoRAを巡っては、特定のイラストレーターや漫画家の作品を追加学習させ、本人の同意なくその絵柄や作風を再現する目的で制作/公開される事例もあり、クリエイターの権利や経済的利益への影響が議論されている。
文化庁は、作風や画風といったアイデアが似ているにとどまり、既存の著作物との類似性が認められない生成物は、原則として著作権侵害には当たらないとの考え方を示している(外部リンク)。
ただし、生成物に既存作品の創作的表現との類似性や依拠性が認められる場合には、著作権侵害となる可能性がある。法的な侵害という論点とは別に、特定クリエイターの作風を無断で再現し、その需要を代替することへの倫理的/経済的な懸念も根強い。
今回、LoRAの利用量に応じて作者へ継続的にクレジットを還元する仕組みが導入されたことで、どのようなLoRAを収益還元の対象とし、不適切な学習や公開にどう対応するのかも、プラットフォーム側に問われることになりそうだ。
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