音楽生成AIサービス「Suno」を開発するSuno社が9月8日、デジタル音楽企業・Believeとの戦略的パートナーシップを発表した。
今回の提携により、楽曲配信代行サービス「TuneCore」などBelieve社が展開するサービスを利用するアーティスト/レーベルの楽曲が、Suno社が音楽業界と共同開発している新たな音楽生成AIモデルに使用できるようになる。
参加はアーティストやレーベル自身が可否を選択するオプトイン方式。
参加者には楽曲利用の対価が支払われるほか、Suno社が導入する透明性確保の仕組みや権利保護策も適用される。
Suno、Believe/TuneCore所属アーティストの楽曲を新モデルに活用
Believe社は、インディペンデントのアーティストやレーベルを支援するフランス発の音楽企業。50ヶ国以上で事業を展開しており、傘下にはセルフリリース型の音楽配信サービス「TuneCore」を抱えている。
「TuneCore」は、アーティスト自身が自身の楽曲をSpotifyやApple Musicなどへ配信できるサービスとして広く利用されている。
今回の契約により、Suno社が音楽業界と共同開発中の新モデルを使って制作された楽曲が、Believeが展開するサービスを通じて配信可能に。
さらに、Believe社とSuno社は、アーティストとファンの新たな交流や収益化につながる「新しいプロダクト体験」も共同で開発するという。
なお、同プログラムへの参加アーティストへの具体的な報酬額や、その算定方法は現時点で明らかにされていない。
4月にはSuno生成楽曲の配信をブロック 約4ヶ月で方針転換
今回の提携で特に目を引くのが、Believe社とSuno社の関係の変化だ。
Believe社は2026年4月、必要なライセンスを得ていないと判断した生成AIモデルで制作された楽曲について、配信をブロックする方針を表明。当時の「Suno」のモデルも対象となっていた。
Believe社自身も今回の発表で、4月に「当時Sunoのモデル」による楽曲の配信をブロックした判断からの変化であることを明記している。
Suno社の共同創業者兼CEOのMikey Shulmanさんも、両社が出発点が違ったと振り返りながら、対話を重ねる中で「アーティストに意義のある選択肢を与える」「流通と経済的機会への道を広げる」といった価値観で一致したと説明している。
ワーナー、BMGに続きBelieveとも提携 Sunoが進める新モデル
Suno社は近年、音楽業界との提携を相次いで進めている。
2025年11月には大手音楽会社・Warner Music Group(WMG)と提携。両社間の訴訟を解決するとともに、参加を選択したアーティストやソングライターの権利を保護し、対価を還元するライセンス型のAI音楽サービスを共同開発すると発表した。
2026年8月には、レコード事業と音楽出版事業を手がけるBMG社ともグローバル規模で提携。BMG社が管理する原盤および出版楽曲を対象に、アーティストやソングライターが参加を選択できる新たなAI音楽体験を開発するとしている。
Suno社は今回、音楽業界との提携を通じて開発している「Suno」の次世代モデルを近日公開すると改めて表明した。
なお、新モデルの公開にあわせて従来のモデルを終了させる方針も明らかになっている。既に制作済みの楽曲については、引き続きユーザーのライブラリに残るという。
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