若者は本当にギターソロをスキップする? Z世代へのアンケートで見えた実態

本当にギターソロは聴かれないのか?

一連の流れを受けて、音楽メディア「弾き語りすとLABO」を運営する株式会社シェアクリエイトが、25歳以下の男女120人にギターソロについてのアンケート調査を行なった。

いうなれば「ギターソロは若い子たちに聴かれているか?」調査だ

「間奏のギターソロは聴くか?」「イントロがエレキギターの曲を聴くか?」「ギターソロに関する印象」という質問への回答結果が以下になる。 調査日数・対象人数の少なさから精度が低いのでは? という疑念はあるが、この回答は興味深い。

調査の結果、89.2%のユーザーが「間奏のギターソロを聴く」と答え、10.8%のユーザーがギターソロをスキップすると答えた。

ギターソロをスキップすると答えた10.8%のユーザーは、ロックバンドやシンガーソングライターを好きなアーティストにあげている方が多く、ボカロ(歌い手含む)やアイドルを好きなアーティストにあげているユーザーは総じてギターソロに好意的な答えをしていたという。

ギターソロがイントロか曲中にあるかで変わる印象

注目すべきは、次の質問「イントロがエレキギターの曲を聴くか?」だろう。

60.8%のユーザーが「イントロがエレキギターの曲を頭から聴く」と答え、37.5%のユーザーがイントロがエレキギターの時点で次の曲へとうつると回答したのだ。

ギターソロを「カッコイイ」と感じている人もいれば、どこか敬遠してしまうリスナーもいることは、質問「ギターソロに関する印象」の結果を踏まえればよりわかるだろう。

今回の調査では、ギターソロがイントロにあるか、それとも曲中にあるか、この点が大きな差を生むことが明らかになった。

日本のポップスにおけるギターソロへの愛着

一度ここで高野さんに視点を戻してみよう。

この記事や件のツイートで高野さんをはじめて知った方に分かりやすく説明すれば、80年代末からシンガーソングライターとして活躍し、2019年までにベスト盤を含む22枚のソロアルバムを発表。

ギタリスト・スタジオミュージシャンとしては高橋幸宏さん、鈴木慶一さん、細野晴臣さん、坂本龍一さん、田島貴男さん、中村一義さん、星野源さん、クラムボンといった、名だたる面々のサポートを務めてきた人物だ。

2013年から京都精華大学ポピュラーカルチャー学部特任教員に着任し、10代~20代の学生を相手にポップスのソングライティングを教え、後進の育成に努めている(現在は客員教授)。 高野さんはツイートの反響を受けて、5月9日に自身のnoteで記事を公開した(外部リンク)。以下、記事から一部引用している。

140字で伝えるのは難しい。主語を「若者」にしてしまったのは物議を醸す原因になってしまったと、後で悔やむ。

「(サブスクが主流のアメリカで)グラミー賞ロック部門のギターソロが絶滅しかかっているのは、ギターを好まない若い人たちが増えているかららしいですね」と言いたかったのに、言葉が足りなかった。

細かい内容に関しては、ぜひnoteの記事を参照していただきたい。

「リスナーが何を聴くか?」という需要の問題はあるが、日本の音楽ファンとミュージシャンを巻き込んだ一連の事象は、日本のポップミュージックにおける“ギターソロ”への愛着と重要さ、ひいて言えば“日本がいかにロック・ミュージックの国であるか”を感じさせる話題であった。

音楽需要・価値観変化・ヒットチャート

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:5405)

イントロをギターソロにしてしまえ

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