『ザ・ファブル』『寄生獣』『ダーウィン事変』も 講談社が名作を無料公開

『ザ・ファブル』『寄生獣』『ダーウィン事変』も 講談社が名作を無料公開
『ザ・ファブル』『寄生獣』『ダーウィン事変』も 講談社が名作を無料公開

画像はすべてAmazonから

漫画『ザ・ファブル』のシリーズ累計1600万部突破を記念し、「衝撃展開マンガ特集」と題した講談社の企画が各電子書籍サイトで行われています。

対象作品のなんと1巻から3巻までが無料で公開されており、5月19日(木)まで試し読みし放題です(無料公開されている巻数は作品によって異なります)。

そこで今回は、対象作品からすでに完結している名作と連載中の話題作をご紹介。試し読みして続きが気になる作品があれば購入するもよし、これをきっかけに連載を追いはじめるのもいいでしょう。

『ザ・ファブル』『寄生獣』に加え完結した「センゴク」シリーズも

『ザ・ファブル』

まずは当然『ザ・ファブル』から。3巻まで無料公開されているのは、この作品の第1部に当たります。

温厚な性格だが伝説の殺し屋であるファブルが、組織のボスの命令で殺し屋家業を休業。偽名として佐藤明を名乗り、一般人に溶け込んで生活するところから物語がスタートします。

佐藤は、移住先の大阪の暴力団・真黒組の関係者、バイトすることになるデザイン会社・オクトパスのメンバーと交流していくのですが、一般人の感性とは少々ズレた面を見せることもあり、このギャップが読者を笑いに誘います。

そんな日常と、裏世界では知らぬ者がいない伝説の殺し屋ゆえに巻き込まれてしまうハードな日常を交互に描いており、決して正体がバレてはいけない佐藤が、どのようにして周囲を巻き込まずに問題を解決していくか。

そして少しずつ佐藤が殺し屋以外の将来を想像するようになっていく過程が見どころです。

『寄生獣』

正体不明の寄生生物──パラサイトが突如発生した世界を舞台に、パラサイトと人間の抗争を描いた名作『寄生獣』。主人公は、寄生されるも運良く助かった高校生・泉新一と、新一の右腕しか奪えなかったためミギーと命名されたパラサイト。思わぬ共生を余儀なくされた2人です。

対立するパラサイトと人間の両陣営に挟まれる形になった彼らの視点から、生物の存在意義、捕食される側に回ったことであぶり出される人間のエゴなど、様々なテーマが描かれています。

ごく普通の青年である新一が、自分と宿主である新一の生存が第一義で、その他の事象に対しては極めて冷淡で合理的なミギーと接し葛藤する描写には、従来の価値観や死生観の芯を揺さぶる根源的な問いがあります

ミギーとの共生、ミギー以外のパラサイトとの対話、徐々に変わっていく世界の様相、否応なく起こってしまう悲劇など、様々な出来事を通して普通でいられなくなった新一がどう生きていくのか。少ない描写ながら、ミギーにも起こる確かな変化も必見です。

「センゴク」シリーズ

第4部にして最終章の『センゴク権兵衛』が2月に完結し、物語に幕を閉じたばかりの「センゴク」シリーズ。

作中で“戦国史上最も失敗し挽回した男”と称される実在の人物・仙石権兵衛秀久を主人公に、織田信長や武田信玄といった英傑・豪傑が覇を競った戦国時代を描いています。

ある敗戦を機に織田信長に拾われ、後に天下人となる豊臣秀吉の部下のなかでも古株となる仙石ですが、その存在に焦点が当たることは少なく、そのため彼を主人公にした本作は異色の英雄譚となっています。

また、戦場跡や城跡といった史跡に赴き現地で掴んだ実感と、歴史的資料を読み込んだ丹念な研究をもとに、通説とは違う作者独自の言説が多々披露されることも特徴の一つ

丁寧な歴史研究と大胆な仮説を下地にした、金ヶ崎の退き口、比叡山焼き討ち、三方ヶ原の戦い、長篠の戦い、本能寺の変など、戦国時代の激動を骨太の描写で見せる傑作シリーズです。

『忍者と極道』『ダーウィン事変』など連載中の話題作

『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』

これはもうタイトルの勝ちでしょう。絶対読みたくなるものこんなの。

そう、織田信長が天下一統を目前にして、歴史の表舞台から去ることになった“本能寺の変”。これを回避すべく、信長が何度も人生をやり直す物語です。

なんとか悲劇を回避すべく試行錯誤する信長の姿がコメディ調で描かれているのでとっつきやすく、テンポも良いのでスルスルとページが進む一方、シリアスな展開もあり読ませます。

歴史の大まかな出来事を知っていれば伏線も理解しやすくなお面白いですが、細かいことを知らずとも読者を引き込むだけのパワーがあります。

タイトルにもなっている「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」って信長が言ったページを見て筆者は爆笑しました。オススメです。

『忍者と極道』

江戸時代から続く忍者と極道の死闘を、バイオレンス上等の作画で表現する『忍者と極道』。

毎話のように生首と血しぶきが飛び交っている……と書くと引いちゃいそうですが、不思議とグロさはなく、グロ耐性がなくても読みやすいです(たぶん)。

主人公は忍者の少年・多仲忍者(たなかしのは)と極道の異才・輝村極道(きむらきわみ)の2人。お互いの素性を知らぬまま心を通わせた、通わせてしまった運命の2人の行く先が物語の鍵を握っています。

この作品を語る際に外せないのが、「驚嘆(やばたん)」「驚愕ェ(パネェ)」「心底有難ッス(マジアザッス)」など、ルビ振りのクセが独特かつ強烈な点。このセンスにハマるともう抜け出せないっすよ。

『ダーウィン事変』

「マンガ大賞2022」で見事大賞を受賞した『ダーウィン事変』も、1巻が無料公開されています。

人間とチンパンジーのハイブリッドとして生を受けた“ヒューマンジー”の主人公・チャーリーが、その出自ゆえに注目を集め、テロや差別といった現実社会でも課題になっているテーマと向き合っていく作品です。

チャーリーが高校に入学し、周囲から浮いている秀才の少女・ルーシーと出会うところから物語がはじまるのですが、彼らの名前からもわかるように、作中の主な舞台は日本ではありません。アメリカです。

作品の世界観を構成する場が、テロや差別の問題がより顕在化しているアメリカであるだけに、既視感ある出来事も多く、否応なく自分が生きる世界と接続して読み進めることになる構成が巧みな話題作です。

『満州アヘンスクワッド』

日本人(関東軍)、中国人、ロシア人、モンゴル人が入り乱れる満洲国で、家族を守るためにアヘン製造に手を出した主人公・日方勇が、アヘン栽培でのし上がる『満州アヘンスクワッド』。

勇がアヘン売買で存在感を示す中国人秘密結社の関係者であるリーファに誘われて、その天才的なアヘン製造の腕を活かすことになるのですが、当然ぽっと出の新参者に対する信頼はないため、リーファにリードされながら満州国内を暗躍することになります。

中国人のリーファをはじめ、アヘンの売人として天性の才能を持つ日本人のリン、語学に堪能で機転も利くモンゴル人のバータル、凄腕の逃がし屋でロシア人のキリルといった国際色豊かなチームと、アヘン売買を取り締まる関東軍、そしてアヘン製造のライバルたちとしのぎを削る攻防はスリル満点。手に汗握る展開で目が離せません。

もう見た? ここ最近の注目作

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