白泉社の漫画誌『ヤングアニマル』の30周年を記念して、対象作品がなんと30円になるセールが、AmazonのKindleストアほかで開催されています!
基本的に1巻〜3巻までが30円、もしくは期間限定ながら無料(!)で読めて、以降の数巻の価格が30%オフになっています。ヤングアニマルを冠する雑誌のバックナンバーも30円で購入可能。
今回は5月9日(月)まで行われるこのセールの対象作品から、オススメの8作品をピックアップしました。
無料や格安で試し読みして、気になる作品があれば一気読みするのも良さそうです。ゴールデンウィークのKindleセールと併せてどうぞ!
人智の及ばない運命の流れに抗い地を這うようにして生きるガッツと、その流れに身を任せて苛烈な野望を成就させんとするグリフィスの因縁を描いた超大作です。
「それは剣というにはあまりに大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それは正に鉄塊だった」という有名な台詞で描写される大剣を携え、規格外の怪物と対峙する主人公・ガッツが、なぜそんな過酷な人生を歩んでいるのか。
今回のセールでは、彼の過去の一端を描く“黒い剣士”と題された序章に当たる1巻から3巻がお買い得になっているのですが、この3巻が合計90円で買えて読めるのは事件ですよ。 そして続く4巻(こちらは30%オフ)以降で、ガッツの宿命を決定づけた過去を描く伝説の“黄金時代”編へと繋がっていきます。
また、連載が進むごとに絵が精細になっていき、最終的には1ページ1ページが絵画のような圧倒的質量を感じさせていた『ベルセルク』ですが、見開きの一枚絵をじっくり見ることができ、拡大も容易な電子書籍は、圧倒的な画力を堪能するのにぴったりです(筆者は単行本でも持っていますが)。
惜しむらくは未完となってしまったこと。作者・三浦建太郎さんの急逝によって、物語が永遠に完結することがなくなってしまったのは、ただただ無念です。
しかし幸いと言うべきか、現状の最終話は物語に大きな区切りがついたところでした。というわけで、未読で少しでも気になっていた方なら絶対に読むべきです作品です。これを機会にどうぞ。
自分の将来を上手く見つけられなかったり、報われない恋慕に傷つき続けたり、悩みの尽きない仲良し美大生5人組それぞれの葛藤と決断を描いています。
美大生たちの青春を終始明るい雰囲気で演出しながら、同時に各々が抱えている懊悩をこれでもかと表出させる作風は、現在連載中の『3月のライオン』にも通じる羽海野チカさん独特のもの。
登場人物たちが持つ仄暗い本音を物語に落とし込み、絡ませて、大きな流れをつくっていく筆致は素晴らしく、特に終盤のある事件からはじまる激動の展開は読者を力強く牽引します。
こちらの主人公・桐山零は、青春の言葉からイメージされる出来事とは無縁の孤独な少年です。
中学生でプロの棋士になった若手の有望株でありながら、それゆえにある事情を抱えて一人暮らしをはじめ、悪戦苦闘していたところ、心優しい3姉妹が暮らす川本家と出会い、交流をはじめるところまでがあらすじとなります。
複雑な家庭の事情を抱える主人公と川本家の奮闘と救済を縦軸に、棋士の壮絶な勝負の世界を横軸にして広がっていく物語は、前作『ハチミツとクローバー』とはまた違った、痛みを伴う成長の過程を克明に描写しています。
2021年7月にはMAPPA制作のアニメが放送されました。OPとEDののビビットなアニメーションも最高でしたね。
韋駄天と呼ばれる神と世界を滅ぼす力を持った魔族の争いが韋駄天の勝利によって終わり、それから800年が経った平穏世代の韋駄天たちがメインキャラクターとなります。
彼らが人間に紛れて密かに復活していた魔族と相対し、個々の思惑を持って戦ったり洗脳したり拉致られたりして大わらわ。
武力は圧倒的な韋駄天、知略を持って応戦する魔族、この2大勢力の間に挟まるようにして翻弄される人間も交えた、一筋縄ではいかないバトルロイヤルに引き込まれます。
2万人を超える死傷者を出し、太平洋戦争のなかでも極めて厳しい戦場となったペリリュー島を舞台にしていることもあり、戦闘シーンでは直接的に戦死していく人々が描写されます。
登場人物は全員デフォルメされているため、いくぶんか受け入れやすくなってはいますが、武力衝突が招く凄惨な世界は、比較的見やすい画風だからこそ心に刺さってくるのです。
また、史実のターニングポイントでもある終戦を迎えて以降も話が続く点が特徴で、戦場における狂気、戦時と平時における価値観の相違にも向き合った作品になっています。
「遊び人研究会」なる同好会(?)を立ち上げた中学生と、奇人・変人があつまる様々な部活動の日常を、時折起こる超常現象をミックスさせながら描いています。
メインキャラクターは、文武両道の才女でありながら人格破綻者でコミュ障の華子、金髪碧眼だけど生粋の日本育ちで疑似ネイティブスピーカーのオリヴィア、真面目なのに根が腐っていて追い詰められれば他人を売っちゃう系女子・香純の「遊び人研究会」3人組。
この3人のざっくりしたプロフィールだけでもヤバい臭いがしますが、彼女たちを取り囲む面々も同様にヤバいのでヤバい。
最近存在感を増してきた美術部の存在で、さらにドライブがかかった感のある美少女たちによる死亡遊戯をぜひご覧あれ。
はたから見れば超絶な天才なのに、恋愛における才能がなさすぎて、何をやってもダメな上野さん、鈍感の権化・田中、ツッコミと癒やし枠の山下が所属する科学部を舞台にしたテンポの良いコメディです。
ドラえもんよろしく、毎話のように秘密道具を開発して、それを使って田中を落とそうとする上野さんの七転八倒がとにかく笑えます。
「田中に(自分の)パンツ食べさす計画」を立案するなど、遠回りすぎる不器用な告白を繰り返す上野さんですが、その思いはいつか彼に届くのか。乞うご期待。
久しぶりにぶっ飛んだ漫画が来たなと全筆者を震撼させた話題作です。まともなキャラクターがおらず、現状唯一の常識人枠が人面犬(とうぜん人ではない)という混沌っぷり。
メタ発言は当たり前、ゲロやウ◯コといった変化球も辞さないアクセル全開のカオスコメディです。頭を空っぽにして笑いたいあなたにおすすめ。
基本的に1巻〜3巻までが30円、もしくは期間限定ながら無料(!)で読めて、以降の数巻の価格が30%オフになっています。ヤングアニマルを冠する雑誌のバックナンバーも30円で購入可能。
今回は5月9日(月)まで行われるこのセールの対象作品から、オススメの8作品をピックアップしました。
無料や格安で試し読みして、気になる作品があれば一気読みするのも良さそうです。ゴールデンウィークのKindleセールと併せてどうぞ!
『ベルセルク』の序章が90円で読めるという事件
『ベルセルク』
まずはなにより漫画史に残る大傑作、間違いなく後世に語り継がれるダークファンタジー『ベルセルク』から。人智の及ばない運命の流れに抗い地を這うようにして生きるガッツと、その流れに身を任せて苛烈な野望を成就させんとするグリフィスの因縁を描いた超大作です。
「それは剣というにはあまりに大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それは正に鉄塊だった」という有名な台詞で描写される大剣を携え、規格外の怪物と対峙する主人公・ガッツが、なぜそんな過酷な人生を歩んでいるのか。
今回のセールでは、彼の過去の一端を描く“黒い剣士”と題された序章に当たる1巻から3巻がお買い得になっているのですが、この3巻が合計90円で買えて読めるのは事件ですよ。 そして続く4巻(こちらは30%オフ)以降で、ガッツの宿命を決定づけた過去を描く伝説の“黄金時代”編へと繋がっていきます。
また、連載が進むごとに絵が精細になっていき、最終的には1ページ1ページが絵画のような圧倒的質量を感じさせていた『ベルセルク』ですが、見開きの一枚絵をじっくり見ることができ、拡大も容易な電子書籍は、圧倒的な画力を堪能するのにぴったりです(筆者は単行本でも持っていますが)。
惜しむらくは未完となってしまったこと。作者・三浦建太郎さんの急逝によって、物語が永遠に完結することがなくなってしまったのは、ただただ無念です。
しかし幸いと言うべきか、現状の最終話は物語に大きな区切りがついたところでした。というわけで、未読で少しでも気になっていた方なら絶対に読むべきです作品です。これを機会にどうぞ。
『3月のライオン』『ハチクロ』『ペリリュー』など名作がたくさん
『ハチミツとクローバー』
不器用な美大生たちの青春群像劇『ハチミツとクローバー』。羽海野チカさんのデビュー作にして出世作となった作品です。自分の将来を上手く見つけられなかったり、報われない恋慕に傷つき続けたり、悩みの尽きない仲良し美大生5人組それぞれの葛藤と決断を描いています。
美大生たちの青春を終始明るい雰囲気で演出しながら、同時に各々が抱えている懊悩をこれでもかと表出させる作風は、現在連載中の『3月のライオン』にも通じる羽海野チカさん独特のもの。
登場人物たちが持つ仄暗い本音を物語に落とし込み、絡ませて、大きな流れをつくっていく筆致は素晴らしく、特に終盤のある事件からはじまる激動の展開は読者を力強く牽引します。
『3月のライオン』
『ハチミツとクローバー』から一転、将棋のプロ棋士を主人公に据えた『3月のライオン』。こちらの主人公・桐山零は、青春の言葉からイメージされる出来事とは無縁の孤独な少年です。
中学生でプロの棋士になった若手の有望株でありながら、それゆえにある事情を抱えて一人暮らしをはじめ、悪戦苦闘していたところ、心優しい3姉妹が暮らす川本家と出会い、交流をはじめるところまでがあらすじとなります。
複雑な家庭の事情を抱える主人公と川本家の奮闘と救済を縦軸に、棋士の壮絶な勝負の世界を横軸にして広がっていく物語は、前作『ハチミツとクローバー』とはまた違った、痛みを伴う成長の過程を克明に描写しています。
『平穏世代の韋駄天達』
原作に『異種族レビュアーズ』などの天原さん、作画に『小林さんちのメイドラゴン』などのクール教信者さんという魅力的なタッグで連載されている『平穏世代の韋駄天達』。2021年7月にはMAPPA制作のアニメが放送されました。OPとEDののビビットなアニメーションも最高でしたね。
韋駄天と呼ばれる神と世界を滅ぼす力を持った魔族の争いが韋駄天の勝利によって終わり、それから800年が経った平穏世代の韋駄天たちがメインキャラクターとなります。
彼らが人間に紛れて密かに復活していた魔族と相対し、個々の思惑を持って戦ったり洗脳したり拉致られたりして大わらわ。
武力は圧倒的な韋駄天、知略を持って応戦する魔族、この2大勢力の間に挟まるようにして翻弄される人間も交えた、一筋縄ではいかないバトルロイヤルに引き込まれます。
『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』
太平洋戦争の真っ只中、パラオ諸島の小島・ペリリューで行われた日本とアメリカの戦いをもとにした漫画『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』。漫画家志望の心優しい主人公・田丸一等兵が、戦場を生き抜くため、戦友や上官と共に島を駆けずり回ります。2万人を超える死傷者を出し、太平洋戦争のなかでも極めて厳しい戦場となったペリリュー島を舞台にしていることもあり、戦闘シーンでは直接的に戦死していく人々が描写されます。
登場人物は全員デフォルメされているため、いくぶんか受け入れやすくなってはいますが、武力衝突が招く凄惨な世界は、比較的見やすい画風だからこそ心に刺さってくるのです。
また、史実のターニングポイントでもある終戦を迎えて以降も話が続く点が特徴で、戦場における狂気、戦時と平時における価値観の相違にも向き合った作品になっています。
『あそびあそばせ』
表紙に騙されてはいけない漫画No.1こと『あそびあそばせ』。抱腹絶倒のギャグ漫画です。「遊び人研究会」なる同好会(?)を立ち上げた中学生と、奇人・変人があつまる様々な部活動の日常を、時折起こる超常現象をミックスさせながら描いています。
メインキャラクターは、文武両道の才女でありながら人格破綻者でコミュ障の華子、金髪碧眼だけど生粋の日本育ちで疑似ネイティブスピーカーのオリヴィア、真面目なのに根が腐っていて追い詰められれば他人を売っちゃう系女子・香純の「遊び人研究会」3人組。
この3人のざっくりしたプロフィールだけでもヤバい臭いがしますが、彼女たちを取り囲む面々も同様にヤバいのでヤバい。
最近存在感を増してきた美術部の存在で、さらにドライブがかかった感のある美少女たちによる死亡遊戯をぜひご覧あれ。
『上野さんは不器用』
多次元に干渉しちゃったり、未知の物質・エセエーテルをほいほい生み出したり、人類史に名を刻むであろう天才中学生・上野さんが、意中の後輩・田中に残念すぎるアタックを仕掛けては玉砕する『上野さんは不器用』。はたから見れば超絶な天才なのに、恋愛における才能がなさすぎて、何をやってもダメな上野さん、鈍感の権化・田中、ツッコミと癒やし枠の山下が所属する科学部を舞台にしたテンポの良いコメディです。
ドラえもんよろしく、毎話のように秘密道具を開発して、それを使って田中を落とそうとする上野さんの七転八倒がとにかく笑えます。
「田中に(自分の)パンツ食べさす計画」を立案するなど、遠回りすぎる不器用な告白を繰り返す上野さんですが、その思いはいつか彼に届くのか。乞うご期待。
『オカルト研は存在しない!!』
深刻な人員不足に悩むオカルト研究部の部長・物部かおるが、ド変態クレイジー百合陰キャ、すぐに脱腸する動く人体模型(人ではない)など、強烈な部員を従えることになってしまう『オカルト研は存在しない!!』。久しぶりにぶっ飛んだ漫画が来たなと全筆者を震撼させた話題作です。まともなキャラクターがおらず、現状唯一の常識人枠が人面犬(とうぜん人ではない)という混沌っぷり。
メタ発言は当たり前、ゲロやウ◯コといった変化球も辞さないアクセル全開のカオスコメディです。頭を空っぽにして笑いたいあなたにおすすめ。
毎日が漫画三昧
この記事どう思う?
関連リンク
連載
Amazonを中心に、漫画や小説、ライトノベル、雑誌、専門書、ガジェット、食品などのセールをレビューと共に紹介。 Kindleセールはもちろん、タイムセール、プライムデー、ブラックフライデーのほか、早川書房やニコニコカドカワ祭りなど、出版社ごとのセール、他の漫画配信サイトでの期間限定無料公開の情報を、作品や商品のレビューと併せてお届けします。
0件のコメント