不正入試被害歌ったラッパー crystal-z 「Internet Media Awards」受賞

crystal-z Sai no Kawara

POPなポイントを3行で

  • 医学部入試不正被害の実体験を歌った「Sai no Kawara」
  • JIMAにより優れたビジュアルコンテンツとして表彰
  • 「不正告発への姿勢と飄々とした語りが印象を残した」
ラッパー・crystal-zさんが発表した楽曲「Sai no Kawara」が、「Internet Media Awards」でビジュアル・コンテンツ部門を受賞した。

リアルな経験を歌った「Sai no Kawara」が話題に

「Sai no Kawara」は、crystal-zさん自身の実体験を歌った楽曲。

Lo-Fiなビートに半生を綴ったリリック、30代で医学部受験を志す一人の男性の苦難と成功が歌われている楽曲──と思いきや、楽曲終盤にて医学部入試で年齢差別による不正な不合格判定を受けていたことが明かされる。 リリックには「順調じゃなくていいから 天才じゃなくていいから 堂々巡り繰り返し 東京偉大なこの街」に不正をした大学名を隠すなどイースターエッグも盛り込まれ、星野源さんやラッパー・R指定さんがラジオで紹介したほか、ラッパー・呂布カルマさんが34歳にしてラップで自己表現に挑戦する姿を褒め称えるなど瞬く間に話題となった。

crystal-zさん受賞コメント
インターネットは、分断のための装置なのでしょうか。ニュースで報道される人々は、抽象化された記号なのでしょうか。リテラシーの低下は、後戻りできないところまで進行しているのでしょうか。エンターテインメントは、単なる慰みのためだけに存在しているのでしょうか。
その通りかも知れません。ただ、この曲がこうした形で受け入れられたことは、その反証ともいえる。それはただの気分でしょうか。

選考委員・関治之さんコメント
差別が引き起こした問題を、当事者が音楽と映像で世の中に伝えることで、多くの人々の共感を呼び起こした。見ているうちに内容が分かってくる秀逸なプロットでエンターテインメントとしても上質であった。YouTubeで作品を見た後に、医学部入試不正と作者の関連を知った人も多いであろう。不正に対して告発をする強い姿勢と、飄々とした語りが強烈な印象を残した。

234ものオンラインコンテンツ・活動から選出

Internet Media AWARDS/画像はJIMA公式サイトより

インターネットメディア協会(JIMA)が主催した「Internet Media Awards」。日本のインターネットメディアの質的向上、認知獲得、業界の更なる発展をめざすため開催された。

応募された234作品から「テキスト・コンテンツ」「ビジュアル・コンテンツ」「スポンサード・コンテンツ」「メディア・イノベーション」「メディア・ビジネス」「ソーシャル・インパクト」「選考委員特別賞」の7部門7作品が選出(「メディア・ビジネス」部門は該当作なし)。

グランプリは作家・岸田奈美さんのnote「全財産を使って外車買ったら、えらいことになった」(外部リンク)が受賞した。

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