庵野秀明が慕う、特撮の魔術師 島倉二千六が初の自伝&作品写真集

庵野秀明が慕う、特撮の魔術師 島倉二千六が初の自伝&作品写真集
庵野秀明が慕う、特撮の魔術師 島倉二千六が初の自伝&作品写真集

『特撮の空 島倉二千六、背景画の世界』/画像はAmazonより

POPなポイントを3行で

  • 日本の特撮界を支えた背景美術・島倉二千六
  • 庵野秀明『巨神兵』でも背景を担当した魔術師
  • 初の自伝&作品写真集が発売
日本の特撮界を背景美術で支えた画家・島倉二千六(しまくらふちむ)さん初の自伝&作品写真集『特撮の空 島倉二千六、背景画の世界』が発売された。価格は3740円(税込)。

島倉さんは、庵野秀明監督の『エヴァンゲリヲン新劇場版:Q』と同時上映された『巨神兵東京に現わる 劇場版』でも背景美術を担当した人物。

庵野さんは刊行にあたり「僕らは子供の頃からずっと島倉さんの空を観て育ちました。その記憶をまとめて見ることが出来る幸せを、今改めて、噛み締めてます。」と言葉を送っている。

背景で日本の特撮界を支え続けた男・島倉二千六

ウルトラマン』『ゴジラ』『仮面ライダー』など昭和時代に撮影された特撮作品は、現代主流になっている作品と撮影方法が異なっている。

リアリティのあるCGが使われている現代に対し、昭和の特撮作品はすべてが実写。スタジオ内にミニチュアで精巧に再現された街の模型、迫力のある爆破のシーンなどはすべてが手づくりである。

現代の作品とはまた別の迫力があった昭和の特撮作品だが、その空模様はすべて手描きで表現されていた。
【「怪獣総進撃」 | 予告編 | ゴジラシリーズ 第9作目】
【ウルトラセブン45周年記念PV】
本書の著者・島倉二千六さんは、巧みな空模様を描くことから雲の魔術師と呼ばれている。

雲がかかった晴れ模様、シーンに哀愁を与える夕焼け、物語に暗雲を示す夜空。特撮作品は、彼の描くリアルな背景から多くの恩恵を受けてきた。

中でも、「ゴジラ」シリーズ第9作目『怪獣総進撃』の富士山や『ウルトラセブン』の第8話「狙われた街」の夕焼け空は、ファンの間でも伝説となっている。

島倉二千六の背景と伝説

画像はAmazonより

世界的名監督・黒澤明さんをはじめ、数多くの巨匠たちと日本の歴代特撮監督たちは、その見事な空に魅了されこぞって島倉二千六さんに画を依頼した。

『特撮の空 島倉二千六、背景画の世界』では、今までの撮影現場を含む約200点の貴重な写真と、背景画家人生を振り返るロングインタビューでその軌跡を振り返っている。

また特撮関係者からのコメントも多数掲載されており、島倉二千六さん自伝であり描いてきた空の作品集でもある。特撮の背景すべてが詰まった一冊だ。

『特撮の空 島倉二千六、背景画の世界』コンテンツ一覧
・島倉二千六ギャラリー
・特撮の空
円谷英二の空/有川貞昌の空/中野昭慶の空/川北紘一の空/矢島信男の空/佛田洋の空/樋口真嗣の空/ゴジラの空/ウルトラマンの空/ヒーローの空
掲載作品『:怪獣大戦争』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』、『スペクトルマン』、『怪獣総進撃』、『連合艦隊』、『宇宙刑事ギャバン』、『さよならジュピター』、『光戦隊マスクマン』、『仮面ライダーBLACK』、『帝都物語』、『ガメラ 大怪獣空中戦』、『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』、『巨神兵東京に現わる』、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』ほか
・本編の空 黒澤明の空/市川崑の空/大林宣彦の空など
・現場レポートと写真で辿る、背景画のできるまで
・展示施設の仕事
・背景画家人生を振り返るロングインタビュー
・特撮関係者が語る、島倉二千六
中野昭慶/飯塚定雄/村瀬継蔵/山下宏/小島耕司/樋口真嗣/佛田洋/尾上克郎ほか
※順不同敬称略
・特別コラム 文・三池敏夫

特撮と作品

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