美術造形家の村瀬継蔵さんが10月14日、非代償性肝硬変のため死去した。享年89。
村瀬継蔵さんは、昭和の「ゴジラ」「ウルトラマン」「仮面ライダー」「ガメラ」シリーズなどに携わり、特撮作品の要である着ぐるみ造形の歴史を築いてきたひとりである。
そのほか、劇団四季のミュージカルやテーマパークの造形物、芸術家・岡本太郎さんがデザインした「太陽の塔」内部の展示「生命の木」の造形物なども手がけている。
怪獣造形の伝説的存在・村瀬継蔵
村瀬継蔵さんは、1935年北海道・池田町生まれ。
1958年には東宝の映画作品に参加。同年の『大怪獣バラン』から、1961年の『モスラ』、1962年の『キングコング対ゴジラ』、1963年の『マタンゴ』などの造形助手として活躍した。
その後は独立。『超人バロム・1』『ウルトラマンA』『人造人間キカイダー』などの作品を手がけてきた。
最近は映画やテレビ以外にも、CM映像や舞台造形・美術などで幅広く活躍し、令和3年度文化庁映画賞の映画功労部門を受賞。2024年3月には、第47回日本アカデミー賞の協会特別賞を受賞していた。
初の総監督作の映画『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』が公開中
村瀬継蔵さんは、2023年3月に肝性脳症を発症したものの、入院・治療を経て一時回復していた。
しかし、2024年7月に再度、肝性脳症を発症。99日間の入院の末、最後は安らかに息を引き取ったという。
2024年7月より、初の総監督作であるアナログ特撮映画『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』が、TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開中。
村瀬継蔵さんは公開前に日比谷で開催された完成披露上映会は欠席していたものの、9月1日には地元のイオンシネマむさし村山での上映後舞台挨拶に車いすで登壇。作品への想いを笑顔で語っていた。
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