2020年、SNSでの誹謗中傷が取り沙汰
こうしたガイドラインが発表されるようになった背景をよりよく理解するためには、現在起こっているインターネットを巡る議論を踏まえる必要がある。SNSがこれまで以上に普及し、その利用を巡って諸問題が起こり、その議論は現在過熱している。
この5月には、リアリティショー『テラスハウス』出演者・木村花さんの訃報をきっかけに、著名人に対する誹謗中傷が大きく取り沙汰された。
芸能事務所はじめ、所属するタレントに対する行き過ぎた言動について、改めて法的措置も辞さないことが強調されるようになった。
6月には、声優事務所の響がSNS上での誹謗中傷について警察に被害届を提出。
同月にはYouTuberのマネジメントなどを行うUUUMが、9月にはバーチャルライバーグループ・にじさんじを運営するいちから株式会社が、それぞれ誹謗中傷対策チームを設立し対応にあたっている。
『キン肉マン』悪質なネタバレに法的措置検討も物議
SNSで巻き起こった著作物を巡る議論としては、漫画『キン肉マン』作者と編集部がネット上での画像・文章でのネタバレに対して、法的措置を検討する旨の声明を発表したことも記憶に新しい。あくまで「感想は大歓迎」とした上で、作品内容がわかってしまうネタバレ投稿に対して、作者と公式が警告を発し、「感想」と「悪質なネタバレ」との線引きをはじめ、今なおその内容について物議を醸している。 その黎明期は、顕名も匿名も入り乱れる自由な遊び場という風潮の強かったインターネットは、すでに多くの人にとって生活に必要なインフラとなっている。
そのため、法律とは別に、公共空間と同じようなルールや節度がネット上にも求められるようになっている。
例えば、SNSの自身のアカウントに、特定の人物や作品の画像をアイコンとして用いるケースは、ネット上ではありふれていた。しかしそれも、正式に許諾されているケースを除いては、利用者が節度を守り運営から黙認されていたというだけだ。
一方で、現在の日本の著作権法がネット時代に即していないという指摘も度々なされている。
そのためには、めまぐるしい環境の変化に対応すべきルールとそれを巡る建設的な議論が求められている。
このタイミングで、細かいガイドラインを改めて打ち出し、「アーティスト(事務所)が不快になるか、傷付かないかどうか」という方針で、利用者に良識と節度を呼びかけたゴールデンボンバーに注目が集まっている。
いろいろあるインターネット
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