個人クリエイターのサポートなどを目的とした新法人を設立したアニメスタジオ・ツインエンジン主催のもと、様々なフィールドで活躍する個人アニメ作家5人が集まった。
出自、作風、現在取り組んでいる活動も異なる5人だが、新たな潮流として巻き起こりつつある個人制作アニメーションの文化を盛り上げんと一堂に会し、熱い論を交わしあう。
今回はYouTubeで配信されたトークに加え、その後KAI-YOU独占で実施した参加クリエイターによる座談会の模様をお届けする。
取材:恩田雄多 文:オグマフミヤ 編集:米村智水
「ANIME ALCHEMY」参加クリエイター
・塚原重義さん
FLASHの時代から短編アニメーション制作に取り組み、SEKAI NO OWARIのステージデザイン協力など幅広い活躍を見せつつ、現在はクラウドファンディングを実施中の作品「クラユカバ」で初の長編アニメーション制作に挑んでいる(外部リンク)。
・こむぎこ2000さん
新海誠監督の「君の名は」を観たその日に絵を描き始めたというドラマチックな出自を持ち、「#indie_anime」のハッシュタグでTwitterに短編アニメを投稿するムーブメント「自主制作アニメーション部」も企画しながら、個人としてMV制作などを手がける。
・はなぶしさん
商業のシーンでも活躍し、ファンの間でシリーズ屈指の名エピソードと語り継がれる「HUGっと!プリキュア」16話の絵コンテ/作監を務めたことでも知られ、最近では「ずっと真夜中でいいのに/お勉強しといてよ」のMVを手がけたことでその名をさらに広めた。
・ヨツベさん
大学時代からアニメーション制作を専攻、神風動画時代には「ジョジョの奇妙な冒険」、フリーに転身してからも「はねバド!」OPなど短編アニメーションを中心に手がけ、アニメーターやCGディレクターとして活躍する。
・沼田友さん
自らの制作したアニメを路上で上映する「路上アニメーション」というアグレッシブな経験を経て、「旅街レイトショー」で地上波デビュー。3DCGでの作品を中心に制作しながら、現在は脚本家としても活動する。
個人作家たちに共通するアニメをつくり始めた理由
最初のトークテーマは「アニメーターを志した理由」。暇を持て余した結果「おえかきチャット」に入り浸り、プロのクリエイターたちとの交流の中で、仕事としての絵描きを意識するようになったというはなぶしさん。
そして、新海誠監督の『君の名は。』に衝撃を受けて以降、絵を描きはじめて今に至るというエピソードを持つこむぎこ2000さん。それぞれ理由は様々だが、共通しているのはアニメーターを志すより先にモノをつくりはじめていたということだった。 「ドラマチックな何かがあったわけではない、単純につくっていただけ」。そう語る塚原重義さんの創作における原体験は、親のビデオカメラを借りての映像作品だったという。
父親の影響で漫画やアニメに囲まれた環境に育ち、気づけば画集の模写やPhotoshopでのイラストに取り組んでいたヨツベさんに、小学生の頃から自由帳に描いていた漫画をFLASHでアニメーション化しネットに公開していたという沼田友さん。
それぞれ、ある日突然に「アニメをつくろう」と思い立つのではなく、自由な創作を続けるうちに、表現としてのアニメーションに出会った。
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:3424)
とんでもなくボリューミーな座談会だった。自主制作が売れる市場ができたら、既存の「アニメ」のイメージ変わりそう