『さよなら未来』(若林恵さん)、『ダークウェブ・アンダーグラウンド』(木澤佐登志さん)、『テクニウム』(ケヴィン・ケリーさん)、『息吹』(テッド・チャンさん)などの書評を収録した評論・随筆集となる。
『構造素子』でデビューした作家・樋口恭介
第5回ハヤカワSFコンテストで大賞を受賞した『構造素子』で作家デビューを果たした樋口恭介さん。作家としてのデビュー以降、独自の視点で『SFマガジン』『WIRED』『文藝』『ユリイカ』などに短編小説、批評、エッセイなどを寄稿。自身のnoteでは海外書籍などの翻訳も手がける。
またTwitterではたびたびパートナーである奥様との軽妙なやり取りがツイートされており、密かに評判となっている。
妻との約束を破ってこっそり喫煙しているのがバレて、先程めちゃくちゃ怒られた結果、「いいかげんにしろ!新刊『すべて名もなき未来』が売上ランキング1位を取るまで帰ってくるな!」と言われてしまいました…。何卒よろしくお願いいたします!
— 樋口恭介*5/27『すべて名もなき未来』刊行予定 (@rrr_kgknk) May 5, 2020
すべて名もなき未来/樋口恭介 https://t.co/nlmw5MQPvK pic.twitter.com/SG4eEG8CJC
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イベント情報
すべて名もなき未来
- 発売日
- 5月27日(水)
- 価格
- 2200円
【目次】
序 失われた未来を求めて
SideA 未来
A1 音楽・SF・未来――若林恵『さよなら未来』を読みながら
A2 ディストピア/ポストアポカリプスの想像力
A3 生きること、その不可避な売春性に対する抵抗――マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』
A4 The System of Hyper-Hype Theory-Fictions
A5 暗号化された世界で私たちにできること――木澤佐登志『ダークウェブ・アンダーグラウンド』
A6 分岐と再帰――ケヴィン・ケリー『テクニウム』
A7 断片的な世界で断片的なまま生きること――鈴木健『なめらかな社会とその敵』
A8 亡霊の場所――大垣駅と失われた未来
A9 中国日記 二〇一九年七月一五日-七月二一日
A10 生起する図書館――ケヴィン・ケリー『〈インターネット〉の次に来るもの』
A11 宇宙・数学・言葉、語り得ぬ実在のためのいくつかの覚え書き――マックス・テグマーク『数学的な宇宙』
SideB 物語
B1 生まれなおす奇跡――テッド・チャン『息吹』の読解を通して
B2 物語の愛、物語の贖罪――イアン・マキューアン『贖罪』
B3 未完の青春――佐川恭一『受賞第一作』
B4 明晰な虚構の語り、文学だけが持ちうる倫理――阿部和重『Orga(ni)sm』
B5 オブジェクトたちの戯れ――筒井康隆『虚航船団』
B6 苦しみが喜びに転化する場所としての〈マネジメント〉――新庄耕『地面師たち』
B7 批評家は何の役に立つのか?
B8 ホワイト・ピルと、愛の消滅――ミシェル・ウエルベック『セロトニン』
B9 あいまいな全知の神々、未来の思い出とのたわむれ――神林長平『先をゆくもの達』
B10 エメーリャエンコ・モロゾフ――稀代の無国籍多言語作家
B11 忘却の記憶――言葉の壺に纏わる、九つの断章
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