京都新聞 取材班による京都アニメーション放火殺人事件の連載が書籍化

  • 0
浅田カズラ
京都新聞 取材班による京都アニメーション放火殺人事件の連載が書籍化
京都新聞 取材班による京都アニメーション放火殺人事件の連載が書籍化

『自分は「底辺の人間」です 京都アニメーション放火殺人事件』書影/画像はAmazonより

京都アニメーション放火殺人事件に関する取材をもとにした書籍『自分は「底辺の人間」です 京都アニメーション放火殺人事件』が、7月9日(水)に講談社より刊行される。

京都新聞の連載「理由」をもとに書き下ろされたもので、遺族および被告への取材を通し、事件の実像に迫る一冊となる。

【画像】『自分は「底辺の人間」です』収録内容

新聞協会賞を受賞、京都新聞の京アニ事件連載が書籍に

2019年7月18日に起きた、京都アニメーション放火殺人事件。京都アニメーションの第1スタジオへの放火によって、社員36人が死亡、32人が重軽傷を負い、社会へ大きな衝撃を与えた。

京都新聞は、地元紙として本事件を取材。事件の背景や、犠牲者の人となりなどを報じ続け、一連の報道は各種ジャーナリズム賞を受賞している。

本書のもととなった、京都新聞の連載企画「理由」もその一つ。その後の公判報道とあわせて、2024年度新聞協会賞と第31回坂田記念ジャーナリズム賞を受賞している。

なお、本事件については2024年に被告へ死刑が言い渡された後、2025年1月に被告が控訴を取り下げ。死刑判決が確定している。

『自分は「底辺の人間」です 京都アニメーション放火殺人事件』書籍概要

2019年7月18日に起きた京都アニメーション第1スタジオへの放火。
36人もの尊い命が奪われた悲惨極まりない事件はなぜ起きたのか。

被告の青葉は、公判で自身のことを「底辺の人間」と呼び、「底辺の論理」によって罪を犯したと話した。
事件を防ぐ手立てはなかったのか。
遺族が直面した喪失と、極限の悲しみ、苦しみに私たちはどう向き合えばいいのか。
これらの問いに答えるため、地元紙ならではのネットワークをいかして遺族に寄り添い、6年間取材を積み重ねた。
2024年度新聞協会賞を受賞した地元紙・京都新聞の連載「理由」をもとに書き下ろした一冊。

――「はじめに」より――
この男は何者なのか?
社会を震撼させた事件が2019年7月18日、京都市にある京都アニメーション第1スタジオで起きた。
放火により36人が死亡、32人が重軽傷を負った。
地元紙の京都新聞は過去最大級の取材態勢を組み、事件の背景や犠牲者の人となりなどを精力的に報じた。
しかし、抜け落ちている大きなピースがあった。それは、現場近くで身柄を確保され、後に放火や殺人容疑などで逮捕、起訴された男の実像。
大やけどを負い、懸命の治療で一命をとりとめたが、初公判までの4年間、供述内容や近況などの情報は極めて断片的にしか入らなかった。
最後のピースが、公判を通じてついに埋まる──。
しかし、取材班の思惑は、公判が始まると戸惑いに変わっていった。講談社書誌ページより引用

  • 6 images

この記事どう思う?

この記事どう思う?

京都アニメーション関連記事

『るろうに剣心』と重なる戦後日本の“ねじれ”──志々雄が背負う旧日本軍の無念

『るろうに剣心』と重なる戦後日本の“ねじれ”──志々雄が背負う旧日本軍の無念

小学生の頃、学校の帰りに『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に出てくる技を傘で真似して遊んだ記憶がある。たぶん同世代の男子はみんなやったことがあるはずだ。わたしのいちばんのお気に入りは、主人公の緋村剣心や師匠の比古清十郎が得意とする「飛天御剣流 九頭龍...

premium.kai-you.net
『リズと青い鳥』山田尚子×武田綾乃 対談 少女たちの緊迫感はいかにして描かれたか.jpg

『リズと青い鳥』山田尚子×武田綾乃 対談 少女たちの緊迫感はいかにして描かれたか

京都アニメーションの最新劇場作品であり、『映画 けいおん!』や映画『聲の形』などで知られる同社所属の山田尚子監督が手がける『リズと青い鳥』。 4月21日から公開中の本作は、まるでおとぎ話のようなタイトルですが、北宇治高等学校を舞台に吹奏楽部で練習にはげむ少年少女たちの人間模様を描いた『響け!ユーフォ…

kai-you.net
アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』 原作をより劇的にする京アニ演出.jpeg

アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』 原作をより劇的にする京アニ演出

2021年10月クールの新作アニメがスタートした。注目作に触れていくと、大塚明夫へのキャスト変更や押井守の各話脚本と話題に尽きない『ルパン三世 PART6』に動画工房ならではの暖かい質感漂う『先輩がうざい後輩の話』、作画と演出が心地よい『王様ランキング』『古見さんはコミュ症です。』。 劇場アニメでも、『イヴ…

kai-you.net
アニメ『平家物語』レビュー 山田尚子と吉田玲子が語り直す女性の物語.jpeg

アニメ『平家物語』レビュー 山田尚子と吉田玲子が語り直す女性の物語

歴史ものの作品の魅力といえば、私たちの生きる現代へその世界が地続きになっていることだと思う。「誰が何をしたから、今の世界にもそれが残っている」なんてキャラクターたちの選んだスイッチが現代まで繋がっていることを知りたくて、歴史ものを追っている気さえするのだ。 大河ドラマの楽しみ方はまさにそうで、描…

kai-you.net

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。