『坂下あたると、しじょうの宇宙』の作中に出てくる文章を使用して、コンピューターがランダムに言葉を並べることで新しい詩をつくるというもの。
特設ページの「詩をもっとみる」を押すことで、Googleスプレッドシートに新たな詩が生成される仕組みになっている。
コンピューターがつくった無作為な詩であるにも関わらず、受け手がそこに意味を考えてしまう不思議な体験ができる。
機械が詩を書く!?
— 集英社文芸書 (@shueisha_bungei) February 6, 2020
町屋良平さん『坂下あたると、しじょうの宇宙』の刊行を記念し、「#コンピューター詩人坂下あたる」というシステムを公開します!
機械なのに、まるで人間が書いたような鮮烈な詩が出来上がります。不思議な体験をぜひ!
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芥川賞作家が挑んだ『坂下あたると、しじょうの宇宙』
2016年、『青が破れる』で第53回文藝賞を受賞してデビューした小説家の町屋良平さん。2019年、ボクサーを主人公にした『1R1分34秒』で第160回芥川賞を受賞。『しき』『ぼくはきっとやさしい』『愛が嫌い』といった珠玉の作品を送り出している。
その最新著作『坂下あたると、しじょうの宇宙』は、詩を書いているが評価されない主人公・毅とその親友で文才があるあたるが小説投稿サイトに突如出現した、あたるの分身のような作品を書くAIと繰り広げる物語。
「AIは人間の創作を超えられるのか、オリジナルな文学とは何なのか」を問いかける。
「AIが小説を書く」というのは、もはやそこまで珍しいものではなくなった昨今だが、「コンピューター詩人坂下あたる」は、AIとまではいかないもののそれに近い感覚で、自動生成された作品を楽しむことができる。
町屋さんは「ここにあるのは詩のような言葉たちですが、詩ではないそして素材として自分(町屋)の言葉がある以上、純粋に「コンピューター」でもなければ、「詩」でもないものです。もしそこに「詩情」が読みとれるとしたら、いったいなんなのか?ぜひ奇妙なる言葉の感覚を、体験してみてください」とコメントしている。作中の登場人物が書いた詩は、すべて私(町屋良平)が書いています。上のコンピューター詩も私の文章から成立しているわけですので、その差異に詩を書こうとする恣意が発露します。その違いなども、ぜひ感じていただきたいです~!!
— 町屋良平 (@cori_uno) February 6, 2020
瞳がキラキラしてさ
もう秋
回路を
ボヤボヤ考えていた
あたまのなかで
孤独に
甘えている 「コンピューター詩人坂下あたる」より
なんだなんだ
時刻は十二時に近づき
止まらない衝動を
乱すこともなく
心のどこかで
その感情に
見下ろされている 「コンピューター詩人坂下あたる」より
自動生成プログラムと言えば
余談ながら、自動生成プログラムと言えば、歌人・佐々木あららさんによる短歌の自動生成プログラム「星野しずるの犬猿短歌」がある(外部リンク)。 いくつもの言葉の組み合わせが時に美しい歌となる。その不思議な感覚を、あわせて楽しんでみてほしい。言葉は面白い
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