「芥川賞/直木賞」候補作 古市憲寿や森見登美彦のノミネートが話題に

「芥川賞/直木賞」候補作 古市憲寿や森見登美彦のノミネートが話題に
「芥川賞/直木賞」候補作 古市憲寿や森見登美彦のノミネートが話題に

(左)古市憲寿「平成くん、さようなら」、(右)森見登美彦「熱帯」

POPなポイントを3行で

  • 『第160回芥川龍之介賞』および『第160回直木三十五賞』の候補作品
  • 社会学者・古市憲寿が初芥川賞候補で話題に
  • 森見登美彦「熱帯」で3度目の直木賞候補
平成30年上半期の『第160回芥川龍之介賞』および『第160回直木三十五賞』の候補作品が発表された。

候補者一覧(作者名50音順)
芥川賞候補者名 候補作 掲載誌
上田岳弘(うえだ たかひろ) ニムロッド 群像12月号
鴻池留衣(こうのいけ るい) ジャップ・ン・ロール・ヒーロー 新潮9月号
砂川文次(すなかわ ぶんじ) 戦場のレビヤタン 文學界12月号
高山羽根子(たかやま はねこ) 居た場所 文藝冬季号
古市憲寿(ふるいち のりとし) 平成くん、さようなら 文學界9月号
町屋良平(まちや りょうへい) 1R(いちらうんど)1分34秒 新潮11月号

直木賞候補者名 候補作 出版社
今村翔吾(いまむら しょうご) 童(わらべ)の神 角川春樹事務所
垣根涼介(かきね りょうすけ) 信長の原理 KADOKAWA
真藤順丈(しんどう じゅんじょう) 宝島 講談社
深緑野分(ふかみどり のわき) ベルリンは晴れているか 筑摩書房
森見登美彦(もりみ とみひこ) 熱帯 文藝春秋

芥川賞、気鋭/注目作家の中、古市憲寿が話題

芥川賞の候補作は、2016年にデビュー作「二人組み」で新潮新人賞を受賞し、“炎上”をモチーフにした次作「ナイス・エイジ」も大きな話題となった鴻池留衣さんの「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」。

さらに、2009年に「うどん キツネつきの」で第1回創元SF短編賞の佳作を受賞し、2015年には短編集『うどん キツネつきの』が第36回日本SF大賞最終候補となるなど、これまでSF作家としての活躍が目立った高山羽根子さんの「居た場所」。

また、「しき」が第159回芥川龍之介賞候補および第40回野間文芸新人賞候補作となった町屋良平さんは、今回「1R1分34秒」で2回連続の候補作となった。

中でも、とりわけ話題になっているのは、社会学者の古市憲寿さんだろう。

古市憲寿

1985年生まれで、『絶望の国の幸福な若者たち』など若者論を上梓し、その後テレビの情報・討論番組の司会やコメンテーターとして活躍してきた彼が、小説を文芸誌に発表し始めたのは2018年。

平成くん、さようなら」は、その掲載2作品目となる小説だ。安楽死が合法化されたもう一つの現代日本を舞台に、平成という時代の終わりと自分に向き合う平成くんを描いている。 2016年下半期の「第156回芥川龍之介賞」では、やはり社会学者の岸政彦さんの初小説「ビニール傘」が候補作に選出されるなど、いわゆる“文壇”に属さない人の活躍が目立つ。 直木賞も、時代小説を手がけ第10回角川春樹小説賞を受賞した(受賞当時のタイトルは「童神」)今村翔吾さんの「童の神」や、「夜は短し歩けよ乙女」や「夜行」で2度直木賞候補にあがってきた森見登美彦さんの自身最高ボリュームの超大作となった「熱帯」など、注目作品が並んでいる。 いずれも受賞作は、2019年1月16日(水)午後16時から、築地・新喜楽で開催される選考会にて発表となる。

平成の終わり、小説で振り返ろう

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