3月22日、東京・六本木にあるイベント会場・ニコファーレにて、2016年4月に開校が予定されているネット上の高校「N高等学校」に関する発表会が行われた。
発表会では、N高等学校を運営するカドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生さんが登壇。新たに開発された双方向教育システムや、「ネット部活」や「ネット遠足」をはじめとしたネット上での円滑なコミュニティ形成をうながすための施策などを新たに公開した。
さらに、株式会社MAGES.代表取締役会長でゲーム『STEINS;GATE』などの人気作を手がける志倉千代丸さんや、精神科医の斎藤環さん、評論家の古市憲寿さんら運営に関わる著名人も次々と登場した。「N高等学校」課外授業 大学進学コース紹介
N高等学校では、数学や英語といった進学に向けた教材はもちろん、プログラミングや、ラノベ作家、イラストレーター育成を目的とした課外授業など、通常の高等教育以上に幅広く、実践的な教材が用意された。
さらに、次世代のニコ生で運用されるというシステムを先んじてN高等学校に向けて解放。PCでも操作可能だが、スマホ向けに最適化されたデザインの教材として、アプリで提供される。質問や問題の添削、生徒同士のコミュニケーションをリアルタイムに行うことで、従来の通信教育を上回る双方向学習が可能だと宣言していた。
川上量生さんが登場した瞬間のニコファーレ内には「いぇえええい かわんごみってるうううう?」といったニコニコ動画らしいコメントで溢れかえっていたものの、カリキュラムの充実ぶりが明らかになるにつれて「ここまで充実してるなら入学したい」と真面目なコメントが目立ったのが印象的だった。 また、同校で講師を務める中久喜匠太郎さん、坂田アキラさん、吉村総一朗さんも登場。一見すると奇抜な外見の坂田アキラさんに対して「ミュージシャンぽい」「先生も自由な感じでええね」などのコメントが続出。
坂田さん自身も「たった今『坂田の見た目アウトだろ』とコメントされた僕が発言してよろしいんでしょうか」と見かけのわりに丁寧な口調で聞き返し会場の笑いを誘いつつも、カリキュラムに関しては「どこにもにも太刀打ちができない全く新しいコンテンツだ」と熱く語っていた。「N高等学校」ネットコミュニケーションに関する紹介
続けて、N高等学校でのコミュニティ施策については、上述の志倉千代丸さんとドワンゴの秋葉大介さんが担当者として登場。川上量生さんとともに、学校教育におけるコミュニケーションの場の重要性を熱弁した。
その一貫として、チャットソフトとして評価の高いslackを全生徒/職員が共有することで、日常のコミュニケーションを促進。さらに、一流コーチ陣を招いたクラブ活動もネット上で行うことが明かされた。
将棋部には阿部光瑠六段、囲碁部では藤澤一就八段というプロ棋士を特別顧問に招き、実力に合わせた指導を実施するという豪華な内容。さらに、サッカー部には元日本代表選手である秋田豊さんが参加し、サッカーの戦術を身につけることもできるという。
また、現在のところ講師は不明ながら格闘ゲーム部も設立されているほか、生徒の希望があれば新たな部活を新設することも視野に入れているという。 志倉さんは「共通の話題や趣味があることで、ネット上でのコミュニケーションを取りやすく、久しぶりに現実で会っても会話が繋がる。共通する趣味というのは、距離や時間すらも超える1つのキーワードになるんです」と、関係性の重要さをさらに強調。
秋葉大介さんは「超会議や闘会議など、リアルな交流の場所をたくさん提供ますし、実力者には実際の大会」と、日本でも流行の兆しを見せはじめているeSportsに対する言及も行っていた。
N高制服をモデリングした限定衣装のキャラクターを操作し、担当の教員やクラスメイトとともに『ドラクエX』のフィールド探索の旅に出発。ゲーム空間内で鬼ごっこなどのレクリエーションを行うという。
ここで「ドラゴンクエスト」シリーズのプロデューサーである齊藤陽介さんが登場。
川上さんから「ネットの学校をつくるから、ドラクエの世界の中を遠足をさせてほしい」と、唐突に言われたこと際には冗談と思っていたという事実を明かしたが、熱意や取り組みの新規性に共感したという「ネット遠足」実現への経緯を語った。
さらに「普通の遠足と違うのは引率している先生のレベルが低いと、モンスターに絡まれて全滅なんてことになりかねない。せっかくお揃いの制服も台無しなのでお願いだから先生はなんとかレベル上げておいてください」と場を和ませた。 それを受けた志倉千代丸さんは「制服を着たドラクエのキャラを見たとき、あまりにも再現度が高すぎて飲んでたコーラを吹いてしまった」と驚きの胸中を明かす。
続けて「ここまで大冒険をする遠足はない。僕もドラクエをやる身として、リアルに友情が生まれたこともあるので、モンスターに襲われた先生を助けたり、いろんなドラマが生まれるかもしれない」と自身の体験も交えながら興奮気味にコメントした。
あいにく発表会当日に参加することができなかったが、批評誌『PLANETS』を刊行する宇野常寛さん、社会学者・上野千鶴子さんも同メンバーに名を連ねていた。
専門的な知見から運営へのアドバイスを行っていくほか、ネットを活用したN高等学校の新たな取り組みから得られた会話ログやアンケートを研究データとして分析を実施する。
これまでのN高等学校に対しては、ネット上の高校というある種のキャッチーさばかりが目立つ印象だったが、今回の発表会では一転して、川上さんのN高等学校に対する本気さが伝わってくる充実した内容だった。
執筆者:はるお
発表会では、N高等学校を運営するカドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生さんが登壇。新たに開発された双方向教育システムや、「ネット部活」や「ネット遠足」をはじめとしたネット上での円滑なコミュニティ形成をうながすための施策などを新たに公開した。
さらに、株式会社MAGES.代表取締役会長でゲーム『STEINS;GATE』などの人気作を手がける志倉千代丸さんや、精神科医の斎藤環さん、評論家の古市憲寿さんら運営に関わる著名人も次々と登場した。
従来のシステムを超えた教育システムに驚きの声
さらに、次世代のニコ生で運用されるというシステムを先んじてN高等学校に向けて解放。PCでも操作可能だが、スマホ向けに最適化されたデザインの教材として、アプリで提供される。質問や問題の添削、生徒同士のコミュニケーションをリアルタイムに行うことで、従来の通信教育を上回る双方向学習が可能だと宣言していた。
川上量生さんが登場した瞬間のニコファーレ内には「いぇえええい かわんごみってるうううう?」といったニコニコ動画らしいコメントで溢れかえっていたものの、カリキュラムの充実ぶりが明らかになるにつれて「ここまで充実してるなら入学したい」と真面目なコメントが目立ったのが印象的だった。 また、同校で講師を務める中久喜匠太郎さん、坂田アキラさん、吉村総一朗さんも登場。一見すると奇抜な外見の坂田アキラさんに対して「ミュージシャンぽい」「先生も自由な感じでええね」などのコメントが続出。
坂田さん自身も「たった今『坂田の見た目アウトだろ』とコメントされた僕が発言してよろしいんでしょうか」と見かけのわりに丁寧な口調で聞き返し会場の笑いを誘いつつも、カリキュラムに関しては「どこにもにも太刀打ちができない全く新しいコンテンツだ」と熱く語っていた。
部活も遠足もネット上で体験
その一貫として、チャットソフトとして評価の高いslackを全生徒/職員が共有することで、日常のコミュニケーションを促進。さらに、一流コーチ陣を招いたクラブ活動もネット上で行うことが明かされた。
将棋部には阿部光瑠六段、囲碁部では藤澤一就八段というプロ棋士を特別顧問に招き、実力に合わせた指導を実施するという豪華な内容。さらに、サッカー部には元日本代表選手である秋田豊さんが参加し、サッカーの戦術を身につけることもできるという。
また、現在のところ講師は不明ながら格闘ゲーム部も設立されているほか、生徒の希望があれば新たな部活を新設することも視野に入れているという。 志倉さんは「共通の話題や趣味があることで、ネット上でのコミュニケーションを取りやすく、久しぶりに現実で会っても会話が繋がる。共通する趣味というのは、距離や時間すらも超える1つのキーワードになるんです」と、関係性の重要さをさらに強調。
秋葉大介さんは「超会議や闘会議など、リアルな交流の場所をたくさん提供ますし、実力者には実際の大会」と、日本でも流行の兆しを見せはじめているeSportsに対する言及も行っていた。
ネット遠足の舞台はドラクエの世界!?
さらに、スクウェア・エニックスが提供するオンラインRPG『ドラゴンクエストX』を利用した「ネット遠足」を実施することも明かされた。N高制服をモデリングした限定衣装のキャラクターを操作し、担当の教員やクラスメイトとともに『ドラクエX』のフィールド探索の旅に出発。ゲーム空間内で鬼ごっこなどのレクリエーションを行うという。
ここで「ドラゴンクエスト」シリーズのプロデューサーである齊藤陽介さんが登場。
川上さんから「ネットの学校をつくるから、ドラクエの世界の中を遠足をさせてほしい」と、唐突に言われたこと際には冗談と思っていたという事実を明かしたが、熱意や取り組みの新規性に共感したという「ネット遠足」実現への経緯を語った。
さらに「普通の遠足と違うのは引率している先生のレベルが低いと、モンスターに絡まれて全滅なんてことになりかねない。せっかくお揃いの制服も台無しなのでお願いだから先生はなんとかレベル上げておいてください」と場を和ませた。 それを受けた志倉千代丸さんは「制服を着たドラクエのキャラを見たとき、あまりにも再現度が高すぎて飲んでたコーラを吹いてしまった」と驚きの胸中を明かす。
続けて「ここまで大冒険をする遠足はない。僕もドラクエをやる身として、リアルに友情が生まれたこともあるので、モンスターに襲われた先生を助けたり、いろんなドラマが生まれるかもしれない」と自身の体験も交えながら興奮気味にコメントした。
デジタルネイティブな学生生活を研究対象に
斬新な試みを多く実践するN高等学校では、斎藤環さん、古市憲寿さん、鈴木翔さん、中室牧子さんら著名研究者をアドバイザリーボード(顧問委員会)として設置することを最後に明かした。あいにく発表会当日に参加することができなかったが、批評誌『PLANETS』を刊行する宇野常寛さん、社会学者・上野千鶴子さんも同メンバーに名を連ねていた。
専門的な知見から運営へのアドバイスを行っていくほか、ネットを活用したN高等学校の新たな取り組みから得られた会話ログやアンケートを研究データとして分析を実施する。
これまでのN高等学校に対しては、ネット上の高校というある種のキャッチーさばかりが目立つ印象だったが、今回の発表会では一転して、川上さんのN高等学校に対する本気さが伝わってくる充実した内容だった。
執筆者:はるお
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