川上さんは今後、代表権を持たない取締役CTOとして、IT全般の新技術の開発に集中。
動画サービスniconicoの強化に加え、人工知能、教育事業などのIT先端技術関連の新規事業開発に注力する。
ニコニコ動画をはじめグループ運営を担ってきた川上量生
1997年にドワンゴを設立して代表取締役社長に就任した川上量生さん。2000年9月からは、代表取締役会長としてグループの運営を担ってきた。2006年には中核事業となる動画サービス・niconico(ニコニコ動画)をスタート。その後もニコニコ生放送や、8周年のタイミングで突如リリースされ、わずか5日で終了した「nicocas」(ニコキャス)と、新サービス・新事業のトライアンドエラーを繰り替えしてきた。 一方で、2014年10月にはKADOKAWAとの統合を発表。KADOKAWA・DWANGOを設立し、同社の代表取締役会長に就任した(翌年には代表取締役社長に)。 2016年には「ネットの高校」として通信制の私立校・N高等学校を開校。「ネット部活」や「ネット遠足」をはじめ、インターネット上での教育や円滑なコミュニティ形成をうながすための施策などが注目を集めた。 その間、川上さんは、IT企業として、技術力の向上という経営上の最重要課題にいかに取り組むかを考え続けていたという。
「人事の理由が理解できない」川上量生の退任に寄せられる声
そうした中で、11月28日にはniconicoの新バージョン「く」の発表会を開催。しかし、ニコニコ生放送のコメントでは発表内容に対して厳しい意見が寄せられる結果に。そして12月12日、ニコニコ生放送「動画と生放送サービスに対する意見交換会」内で、川上さんの退任と、今後のniconicoの運営責任者を、取締役である栗田穣崇さんが引き継ぐことが告知されていた(外部リンク)。
退任人事についてドワンゴは、川上さんがグループにおいて果たすべき役割を考えたとき、「新技術の開発に、より集中することがグループの価値を極大化できるという結論に至りました」と説明。会社と川上さん本人の意向を踏まえた結果だとしている。
ネット上の反応は事前に告知されていたこともあり、大きな驚きは少ない。賛否両論はあるものの、「1〜2年遅かった」「ヘイトを一手に担う男が退いてどうなるのか」「既存技術をどうにもできなかったのに新技術の話してる」「niconicoがたまたま当たっただけ」など、今回の人事や川上さん個人に対して批判的な意見が目立っている。本日付でドワンゴの代表取締役会長を退任し、代表権を有しない取締役となりました。
今後は、新規ビジネス及びそれを支える技術の開発に一層注力してまいります。niconicoの運営とサービスはドワンゴ取締役の栗田穣崇が責任者としてユーザーの皆様と向き合い、ユーザーとともに作り上げるniconicoの原点に戻って改善を進めてまいりますので、どうか引き続きご期待いただきますようお願い申し上げます。 川上量生さんコメント
投資家/作家の山本一郎さんは、川上さんの技術的素養が不明な点を指摘しつつ、「ニコニコ以前から独裁的に新技術を運用できる立場にいて失敗しているのになぜこんな人事の理由になっているのか理解ができない」と、人事に対して疑問を呈している。
「(川上氏は)新技術の開発により集中することがグループの価値を極大化できる」って、川上さんのどこに技術的な素養があるのか分からない上に、ニコニコ以前から独裁的に新技術を運用できる立場にいて失敗しているのになぜこんな人事の理由になっているのか理解ができない。 https://t.co/pO9TlGU1oZ
— 山本一郎(やまもといちろう@告知用) (@kirik) 2017年12月21日
ニコニコ動画から生まれた文化
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