高山羽根子さんの『首里の馬』と、遠野遥さんの『破局』の2作が芥川賞を、馳星周さんの『少年と犬』が直木賞を受賞。
高山さんは3回目の候補入り、遠野さんは初の候補入りで受賞。馳さんは7回目の候補入りで受賞を果たした。
芥川賞候補一覧
『赤い砂を蹴る』/石原燃
『アウア・エイジ(Our Age)』/岡本学
『首里の馬』/高山羽根子
『破局』/遠野遥
『アキちゃん』/三木三奈
直木賞候補一覧
『雲を紡ぐ』/伊吹有喜
『じんかん』/今村翔吾
『能楽ものがたり 稚児桜』/澤田瞳子
『銀花の蔵』/遠田潤子
『少年と犬』/馳星周
受賞作家と作品について
芥川賞を受賞した高山羽根子さんは、1975年富山県生まれの小説家・SF作家。2010年に『うどん キツネつきの』で第1回創元SF短編賞佳作を受賞。同作を標題とした短編集『うどん キツネつきの』で書籍デビューを果たしている。
2019年『居た場所』で第160回芥川賞、『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』で第161回芥川賞候補に選出。今回3回目の選出で見事受賞に輝いた。
一方、同じく芥川賞を受賞した遠野遥さんは、1991年神奈川県生まれの小説家。『首里の馬』あらすじ
この島のできる限りの情報が、いつか全世界の真実と接続するように――。沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。遠く隔った場所にいる友とのオンライン通話。台風の夜にあらわれた幻の宮古馬。世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが切実に胸にせまる感動作。
慶應義塾大学法学部を卒業の後、2019年に『改良』で第五六回文藝賞を受賞。芥川賞の選出は今回が初となっている。
直木賞を受賞した馳星周さんは、1965年北海道生まれの小説家。『破局』あらすじ
私を阻むものは、私自身にほかならない――ラグビー、筋トレ、恋とセックス。ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。
出版社・勁文社で編集者をつとめ、ミステリー・冒険小説の書評等を執筆。香港映画のスター・周星馳を逆にした筆名で『不夜城』を刊行し大ヒットを収めている。
直木賞には同作を含め7回の候補入りをしており、今回念願の受賞を果たした格好となる。
『少年と犬』あらすじ
傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。
2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……
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