芥川賞に九段理江『東京都同情塔』 2度目のノミネートで初受賞

芥川賞に九段理江『東京都同情塔』 2度目のノミネートで初受賞
芥川賞に九段理江『東京都同情塔』 2度目のノミネートで初受賞

第170回芥川賞を受賞した『東京都同情塔』/画像はAmazonより

公益財団法人日本文学振興会による第170回直木三十五賞・芥川龍之介賞(以下、直木賞・芥川賞)の選考が、1月17日に行われた。

芥川賞には九段理江さんの『東京都同情塔』が選ばれている。

第170回芥川賞は九段理江 『東京都同情塔』

九段理江さんは2021年、『悪い音楽』で第126回文學界新人賞を受賞しデビュー。

同年、『Schoolgirl』にて第166回芥川賞の候補に。今回2度目となるノミネートでの受賞となる。

九段理江さん(C)新潮社

『東京都同情塔』の舞台は、ザハ・ハディドの国立競技場が完成し、犯罪者は「同情されるべき人々」という言説が広がった日本。

発行元である新潮社は「生成AIや寛容論、ポリティカル・コレクトネスといった『今』の問題を通して、日本の未来を預言する野心作」と評している。

『東京都同情塔』作品概要

ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。

【芥川賞候補作】
安堂ホセ「迷彩色の男」文藝秋季号
川野芽生「Blue」すばる8月号
九段理江「東京都同情塔」新潮12月号(受賞作
小砂川チト「猿の戴冠式」群像12月号
三木三奈「アイスネルワイゼン」文學界10月号

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