直木賞は垣根涼介さんの『極楽征夷大将軍』と永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』、芥川賞は市川沙央さんの『ハンチバック』が選ばれている。
なお、市川沙央さんは、初の純文学作品の執筆。そして初ノミネートでの受賞となる。
目次
第169回直木賞、芥川賞の候補作品(敬称略)
・直木賞候補作
冲方丁『骨灰』
垣根涼介『極楽征夷大将軍』 受賞作
高野和明『踏切の幽霊』
月村了衛『香港警察東京分室』
永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』 受賞作
・芥川賞候補作
石田夏穂『我が手の太陽』
市川沙央『ハンチバック』 受賞作
児玉雨子『##NAME##』
千葉雅也『エレクトリック』
乗代雄介『それは誠』
第169回直木賞受賞 垣根涼介『極楽征夷大将軍』
【『極楽征夷大将軍』作品概要】
動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて後醍醐天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。
混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
謎に包まれた室町幕府初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
第169回直木賞受賞 永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』
【『木挽町のあだ討ち』作品概要】
見たのかって? ええ、あれは立派な仇討ちでしたよ。
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。
父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた壮挙はたくさんの人々から賞賛され、木挽町の語り草となった――。
二年のち、菊之助の縁者だというひとりの侍が芝居小屋で働く人々に仇討ちの詳細をたずねにくる。木戸芸者、立師、衣装係、小道具、筋書……、仇討ちの現場に居合わせた人々が自身の来し方を織り交ぜながら語る「木挽町のあだ討ち」の顛末、そしてその驚くべき真相は――。
第169回芥川賞受賞 市川沙央『ハンチバック』
【『ハンチバック』作品概要】
主人公・井沢釈華は、先天性の遺伝性筋疾患のために背骨が湾曲しており、電動車椅子と人工呼吸器を使い、裕福な両親が遺したグループホームから、ほとんど外に出ない生活を送っている。十畳の自室で彼女は、某有名私大の通信課程を履修し、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。
ところがある日、グループホームのヘルパー・田中にTwitterのアカウントを知られていることが発覚し――。
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発売日:2023年5月11日、文藝春秋より刊行
定価:2,200円(税込)
ISBN: 978-4-16-391695-8
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発売:2023年6月22日 文藝春秋より刊行
定価:1,430円(税込み)
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