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大事なポイントを3行で

  • 群像新人文学賞を受賞した小説「美しい顔」に盗作疑惑
  • 講談社は剽窃・盗用を否定
  • 小説とは何かを巡る議論へと進展か

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芥川賞候補作「美しい顔」の盗作疑惑 講談社も声明発表

東日本大震災の跡(宮城県気仙沼市)

第61回群像新人文学賞を受賞した小説「美しい顔」に盗作疑惑が報道されている問題を受けて、同文学賞を主催する講談社が声明を発表した。

参考文献を掲載しなかった点について謝罪しつつ、「盗作」や「剽窃」といった表現については抗議する姿勢を強調している。

併せて、講談社の公式サイト上にて、近日中に「美しい顔」の全文が無料掲載されることも明かされた。

剽窃か、参考文献未表示の過失か

「美しい顔」は、作者は北条裕子さん。東日本大震災をテーマに描き、母親が行方不明になった女子高生を主人公とした震災文学。第61回群像新人文学賞したほか、第159回芥川賞の候補作にもノミネートされ7月18日(水)の受賞発表を控えている。
北条裕子(ほうじょう ゆうこ)

北条裕子さん(ほうじょう・ゆうこ) 写真は『群像』公式サイトより

しかしながら、作中の表現やシーンのいくつかが、ノンフィクション作家・石井光太さんのルポルタージュ『遺体 震災、津波の果てに』(2011年11月刊行)に類似しているという指摘が持ち上がった。

これを受けて、講談社は声明を発表。著作権法上の盗用や剽窃にはあたらず、あくまで参考文献未表示の過失だと説明。インターネット上で発生している作者や作品への誹謗中傷を含めて、厳重な抗議の姿勢を表明している。

小説という表現についてすれ違いも

6月29日には『遺体 震災、津波の果てに』を出版した新潮社も声明を発表し、「複数の類似箇所が生じていることについては、単に参考文献として記載して解決する問題ではないと考えています」と震災を題材にした作品という特性もふまえ、著作権法上の問題を越えた指摘。

これに対して講談社は「小説という表現形態そのものを否定するかのようなコメントを併記して発表されたことに、著者北条氏は大きな衝撃と深い悲しみを覚え、編集部は強い憤りを抱いております」と意見はすれ違っている。

群像新人文学賞受賞の際、北条裕子さんは、作品を描くにあたって被災地を訪れたことはなかったともコメントしており、小説をはじめとするフィクションや想像力を用いた表現をめぐっての議論へと展開していく兆しもありそうだ。

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