「漢 vs シバター」前代未聞のラッパーとYouTuberの騒動、ファン暴走で終結

「漢 vs シバター」前代未聞のラッパーとYouTuberの騒動、ファン暴走で終結
「漢 vs シバター」前代未聞のラッパーとYouTuberの騒動、ファン暴走で終結

【シバター】もう匿名異文化バトルはやめよう。キッズ達もそろそろ飽きただろ。凸は禁止!【もうやめとけ】/画像は、「Shinjyuku Tokyo」YouTubeより

TV番組でも活躍中のハードコアラッパー・漢 a.k.a. GAMIさんと、炎上系の人気YouTuber・シバターさんによるYouTube騒動もついに終結したと見られます。

2017年7月17日に漢 a.k.a. GAMIさんがアップした動画内で、この騒動に関する最後の動画になる可能性が高いことを示唆。さらにその2時間後には、シバターさんも動画をアップし、漢さん及びヒップホップファンに対する謝罪の内容となりました。

これまで、KAI-YOUでは2回、この騒動を取り上げてきましたが、すべてを網羅している人はコアなファンのみだと思うので、収束を受けて、改めて時系列を追ってまとめていきます。

漢 a.k.a. GAMIとシバター、それぞれのシーンにおいて孤高の両者

漢さんは、新宿発のヒップホップクルー・MSCのリーダーであり、株式会社鎖グループ及びヒップホップレーベル・9SARI GROUPの代表を務める存在です。

日本のMCバトルの発展に貢献した1人で、リアルしかラップしない硬派なスタイルはヘッズ(ヒップホップファン)から熱烈な支持を受けています。

漢 a.k.a. GAMIさん/画像は、9sari group公式サイトより

2015年から放送されているMCバトルの人気番組「フリースタイルダンジョン」にもモンスターとして出演し、ネット配信サービス「FRESH!」での自身の冠番組「漢たちとおさんぽ」の配信など、活躍の場を広げています。

強面な見た目とは裏腹にお茶目な一面も持っており、これまでもYouTubeで、時事ネタを踏まえ渦中の人物を招いたラップ動画など、独自の展開を行ってきました。

一方シバターさんは、YouTubeのチャンネル登録者70万人以上を誇る、辛口コメントで様々な人物や事象に物を申すスタイルを得意とするYouTuber。プロレスラーとしても活動し、株式会社プロレスリングシバターの代表取締役でもあります。

シバターさん/画像はシバター(無所属)(@jtshibata3)さんのTwitterより

これまで、自分よりも強いYouTuber相手に噛みつくような、賛否両論を生むスタイルで大きな注目を集めてきました。

そんなシバターさんを、誰よりも「ヒップホップなYouTuber」として興味を示していたのが漢さんでした(外部リンク)

ラッパー vs YouTuber 事の発端は?

事の発端は、漢さんがシバターさんにコラボのオファーメールをしたところ、メールは無視され、シバターさんがTwitterで漢さんに対して発言したことです。

「フリースタイルダンジョン?の漢なんたらって何モンなん?有名なの?」という、やや煽るようなシバターさんのツイート。 これに対し、翌日には9sari groupのTwitterアカウント(漢さんの個人Twitterはないため)を通じて直接連絡をとりました。「弊社代表の漢がいつも動画を拝見しているとのことで『一度お会い出来ないでしょうか』と申しております」とリプライ。 シバターさんは「横浜まで来てくれるなら」と、思いのほか素っ気ない対応でしたが、漢さんは再度メールにて詳細を送る旨を伝えています。 しかし、それ以後もシバターさんの無視が続いたことを受けて、漢さんがシバターさんの対応に不快感を示す動画を7月4日にYouTubeに公開。人気ラッパーが人気YouTuberに絡んでいくというこれまでにない動きとして、ヘッズ及び一部のYouTube視聴者の間で話題となりました。
youtuberにすごく丁寧にオファーしてみたら死ぬほど腹が立った件について
内容は、シバターさんに向けた怒りのラップ。また漢さんはシバターさんがプロレスをやっていることを加味してか、MMA(混合格闘技)で戦ってもいいと申し出ました。そして、ギャラの面でも不服としていたシバターさんの要求を飲む形で、出演料として100万(もしくは基本出演料0円、勝利で300万円という形式)を提示しました。

また、漢さんが動画内で、俳優・YouTuberである瀬戸弘司さんについて好意的に語ったことを受けて、瀬戸弘司さんもこの動画に反応。

翌日の7月5日、瀬戸弘司さんは、漢さんの希望通りシバターさんに返事をするように促す動画を公開しました。
おいシバター!漢さんにちゃんと返事しろよ!

シバターがついに反応

2人の騒動について、それまではヘッズ側が主に注目していたものの、瀬戸弘司さんの言及もあって、YouTubeファンの間でもこの騒動はどんどん広がることに。

そして、ついにシバターさんも、「瀬戸弘司に言われたら仕方ないな。明日、動画で取り上げてやるか」という発言をTwitterでしました。 そして7月6日、公言通り漢さんに対する返事を動画にして公開しました。
ぜんぜん漢らしくない奴から喧嘩売られたんだが・・・
この動画でシバターさんは、漢さんについて興味がないことやほとんど知らないこと、そもそも乗り気ではないと明言。また、自分より知名度の低い漢さんを相手にすることにメリットが感じられないと発言。また、勝負の条件として、自分の得意領域であるパチスロ勝負であれば受けてもいいとして動画を締めています。

同日には、漢さんもMMAが実現した時の協賛金が4500万円も集まったという内容の動画を公開し、協賛金がどこまで伸びるのかも注目されました。
【驚愕】試合の日程も決まっていないのに協賛金が大量に届く。ここは俺の奢りだ、たらふく喰え【4500万】
この動画内には、当時シバターと対立関係にあった人気YouTuberのへきトラハウスも一瞬出演、その後9sariカフェを訪れる内容の動画を公開しました。
漢a.k.aGAMIにアポなしで突撃したらブチ切れられたwww

ヘッズとキッズの抗争?

以後、シバターさんの興味がない意向を汲み取ったのか、漢さんサイドからの目立ったアクションも起きませんでした。

しかし、シバターさんが有料でプロデュースしているとした謎の仮面YouTuber・ウタエルさんが、今回の騒動を題材に、ヒップホップを揶揄しているともとれるラップのような動画を公開(現在は削除されている)。

そんな中、漢さんは7月10日にこの騒動で誤解をされている事柄について説明する動画を公開。
【へきトラ】異文化交流中の皆様へ、全ての真相をお話しします。【シバター】
内容は、シカトされたから怒っているんではなく、ヒップホップを侮辱されたことについて怒っているなどと説明。自身にも非があったことを認めた上でシバターさんに謝罪を求めています。

そして、ウタエルさんにも言及、「歌で自分をいじるのは危険なのでやめてくれ」と忠告。最後に、YouTuberのコメント欄やSNSで、ヘッズとYouTuber好きのキッズとが、異文化交流にとどまらず互いを罵り合うようなジャンル間の争いになっていることを諌める内容でした。

しかし、数日が経った7月14日、シバターさんはサブアカウントのYouTubeチャンネルで、忠告を受けたにも関わらず、漢さんやヒップホップを馬鹿にするような内容のラップを披露しました。
売名おじさん漢ちゃんに贈るラップ
これを見たヘッズやキッズたちは、ヒップホップをばかにしていると非難する声と、エンタメとしてヒップホップの土俵に上がってきてくれたことを賞賛する声で二分されました。

ファン同士の争いは収まるどころか、さらに激化していきました。

ついにシバターさんの元へリア凸者が現れる

そして、とうとう漢さんが恐れていた事態に。

シバターさんのラップ動画が引き金となったのか、シバターさんの動画を見たヘッズの中に、パチスロの仕事をしているシバターさんの元を直接訪れ、「ヒップホップをバカにするな」と声を荒げてつっかかる(リア凸)者が現れました。
HIPHOPファンがパチンコ収録中に襲撃にきた話【漢キッズ?】
シバターさん側もこの様子を動画に収めて、7月16日に動画を公開・報告。SNSでも、偶然現場にいた方がその場での様子を動画投稿していました。

再び、双方が動画を公開 シバターが正式に漢に謝罪する

漢さんは、7月17日、この一連の騒動を収束させるため、再度動画を公開しました。
【シバター】もう匿名異文化バトルはやめよう。キッズ達もそろそろ飽きただろ。凸は禁止!【もうやめとけ】
内容は、無名の相手に関わるメリットがないと言ったシバターさんが自ら漢さんに関する動画を次々に公開している矛盾を指摘。

そして、シバターさんにヒップホップを侮辱した件については、再度謝罪を求めています。

同日、パチンコ屋でのリア凸の件や漢さんの動画を受け、シバターさんは漢さん及びヒップホップのファンに謝罪と今回の騒動を振り返る動画を公開。
漢さんとHIPHOPファンに真面目に謝罪します
加えて、あくまで「動画のプロレス」をしているつもりで、ヒップホップは嫌いではないがあえてヒップホップを否定することで「エンタメとして盛り上げよう」という意図があったと説明しています。

ヒップホップが嫌いなわけではないことを繰り返して強調し、最後に「明日からは普通の動画です」と発言していることから、この騒動はここで終結したと思われます。

改めてコラボはあるのか?

「フリースタイルダンジョン」オーガナイザーとしても知られ、現在のフリースタイルブームの立役者の一人でもあるZeebraさんはじめ、今回の件は、多くのラッパーに言及され、注目を集めていました。

ヘッズのリア凸行為についてはヘッズ側からも賛否両論が巻き起こっているのも事実ですが、幸い現時点で怪我人や事件はなく、これできちんと収束し、ヘッズとキッズ、それぞれの分野に対する興味と理解のきっかけとなってほしいと願っています。

シバターさんの言う通り「エンタメ」という側面で見れば、双方のYouTubeの再生回数も伸び、チャンネル登録者数も増えたため、「台本なしのプロレス」と考えることもできます。

ヒップホップ文化の一つでもあるラッパー同士のビーフ(バトル)はもちろん、YouTuber同士の揉めごとも数え切れないほど起こってきましたが、ラッパー vs YouTuberというこれまでにない構図は、2017年を象徴するかのような出来事でした。

漢さんは、最後に公開した動画で和解できたらコラボもやぶさかではないかのような素振りも見せており、シバターさんも今後ヒップホップの理解を深めたいとしていることから、正式に和解をしたのちコラボが実現すれば理想的な展開かもしれません。

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