本当のドローンの姿。各分野でドローンがもたらすイノベーション
ワクチン輸送などの発展途上国支援を目指す、Matternet社が開発した「Matternet ONE」は、スマートフォンをタッチするだけで自立輸送を開始するスマートドローンだ。最小限のコストで軽量品を誰でも簡単に輸送することを目指している。また、Amazonが挑戦するドローンを利用した新たな物流サービス「Amazon Prinme Air」など、必然的に人的コストが高くなってしまう物流業界では、ドローンのもたらすメリットが大きく注目されている。
日本国内でも、瀬戸内海の島々へむけて、離島の不便さを改善するための物流サービス「空飛ぶカモメの宅配便 KamomeAirプロジェクト」が、クラウドファンディングでの資金調達に成功している。
鳥のように世界を見つめる。ドローンの活用は芸術やエンタメの分野でも
広島にある企業・ルーチェサーチは小型無人ヘリシステムでの撮影業務を行っており、2014年8月に発生した広島土砂災害時には、近づくことが困難な地点を無人機で空撮することで、安全を確保しながら災害状況を多くの人に伝える役割を果たした。また、NHK仙台放送局は、福島第一原発周辺の警戒区域の状況を小型無人飛行機で撮影。「原発事故4年目の決断」として、NHKサイト内の特設ページにて、原発周辺の様子を公開している。
このように、取材困難な状況下においても、ドローンを使うことで安全に報道することが可能となる。同様に、災害時の救護者の発見等にも大いに活躍するだろう。
そのほかにも、日本アビオニクスが発表した無人機搭載用リモートサーモカメラは、赤外線により対象物の熱を測定することができ、ドローンと合わせて運用することで、太陽光パネルの点検や、火山活動の測定・監視などにも活用が期待されている。
OK Go - I Won't Let You Down - Official Video
報道分野のほかにも、ドローンによる空撮は映像制作において重要な役割を果たしている。これまでの空撮は、ヘリコプターをチャーターする必要があり高額な費用がかかるため、気軽に空撮することは難しく、またヘリの機体が大きいため、比較的高い高度からの撮影しかできなかった。
ドローンの登場は、低高度での撮影、滑らかな空撮映像を安価で可能にした。OK Goによる「I Won't Let You Down」のMVもドローンによる撮影が行われており、集団パフォーマンスのワンカット長回し映像が大きな話題を呼んだことも記憶に新しい。
sphere drones flight test for NHK Next World ( camera 2)
ドローンを規則正しく発光させ、空間を演出している様は、どこかホタルのような美しさを感じさせる。
こうした、アートやエンタメといった表現活動の領域においても、ドローンは新たな可能性を秘めていると言えるだろう。
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