ついに、3月21日に新宿で行われた当日予選、そしてファイナルを持って第一幕は終了となった。
生のアニソンダンスバトルなるものを目撃したのが初めてだった筆者は、異様な熱気に包まれた会場で、アニメ好きなダンサーが、ダンスが好きなアニメオタクが、それぞれの最高のパフォーマンスを発揮してぶつかりあう姿に、何度も鳥肌が立った。
2000年代の後半頃から生まれ、まだ決して大きなシーン、大規模な興行とは言えないアニソンダンスバトルというジャンルだが、その日、熱狂の坩堝と化した新宿の一角で何が起こっていたのか。写真とともに振り返ってみたい。
アニソンダンスバトル全国大会「AKIBA×STREET」 vol.01 Trailer
ダンスが上手いだけじゃ勝てないアニソンダンスバトル
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ポイントは、ダンスが上手いだけの勝負ではない、ということ。
ダンサーは、自分のバトルの時、何の曲がかかるかわからない。出たとこ勝負で、流れたアニソンの拍や展開にあわせて、特には歌真似をしながら、パフォーマンスを決めなければいけないからだ。
そして、これだけは時の運だが、その時にかかった曲がダンサー自身が好きな曲であればあるほど、その熱意はやはりパフォーマンスにあらわれ、観客をうならせるダンスとなっていた。
アニソンにあわせた独特なステップの踏み方や拍の取り方、時折繰り出される大技、それまで培ってきた経験とその場でかかるアニソンへの反射的なフィーリングがマッチする瞬間、そしてそれらの応酬は、本当に見応えのあるものだった。
アニメとダンスが好きで本気で打ち込んできた面々がしのぎを削り合う様は、鬼気迫るものがあった。
普通のダンスバトルと違う点は?
当日、会場に集まった観覧者の多くはダンス経験者だったが、もちろん純粋にバトルを楽しむために観覧に訪れていた人の姿もあった。
中でも、熱心に応援していた数名の女性客は、アニソンダンスも好きだが、通常のダンスバトルもよく観覧しに行っているというダンス好きの集まりだった。
どちらも見てきた彼女たちからみた、アニソンダンスバトルならではの特徴は?
確かに、バトルの途中でも、お互いがノッてくると、鉄板にアツいアニソンが流れると、技をぶつけ合うよりもお互いの呼吸を合わせてダンスのグルーヴを生み出そうとする瞬間がしばしば起こっていた。普通のダンスバトルもアニソンダンスバトルも、ダンサーはみんな本気でバトルします。けど、アニソンダンスバトルは、ただ勝つためだけじゃなくて、バトルをどうエンタメにするかをダンサーがすごい意識しているのを感じます
技を披露しあうだけではなく、合間に挟むヲタ芸や突然飛び出してくるアニメグッズといった小道具が、自由度の高いエンターテインメントなステージ演出に一役買っていた。
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