ウテナにおける「転覆性」の問題
また、『ウテナ』は、「バトルロワイヤル系」が生まれるきっかけとなったとされている、カウンターの対象である「セカイ系」と見られることも多い。改めて定義するなら、「セカイ系」とは、しばしば主人公とヒロイン、つまり「キミとボク」という個人的な関係性が、世界全体の問題──世界の救済や破滅と直結する作品群である。そこには、本来描かれるべき社会というものは存在しない。
しかし、あるいは『ウテナ』ほど「社会的」な作品はないかもしれない。それはどういうことか。
ジェンダー論には、社会構築主義なる考え方がある。社会体の構成員はまず「男/女」という2進法のバイナリーコードで処理され、それぞれの性別役割を配分される。しかしそうした「ジェンダー=男/女であるからにはXであるべきだ」という規範は、もちろん本質とはほど遠く、社会的な言語ゲームにおいて構成された共同幻想でしかない。
そうし...
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