2025年下半期ボカロ名曲まとめ 人気曲「いますぐ輪廻」「PPPP」ほか15選

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highland

ウニ(雨衣)/Adeliae

様々なタイプの楽曲を手がけるAdeliaeさん。

本楽曲は爽やかなギターロックに振り切ったナンバー。軽やかなクリーントーンのギターと四つ打ちの生ドラムのビートが夏の潮風を思わせる。

Adeliae「ウニ」MV

歌詞は「うに構文」というネットミームをフックにしているが、芯は驚くほど真っ直ぐな応援歌だ。

丸くなっていく理想や、<普通に>なることへの葛藤を描きながら、<溺れないように/飛ばされないように/波に飲まれないように>と畳みかける「ように→うに」の押韻が、遮二無二<好き>を抱く決意へと繋がっていく。

2番の<トゲトゲしたものばっか拾っていた水際に/その一つ一つからボクは出来てるんだ>は、過去の痛みすら自らの糧として肯定する姿勢を示し胸を打つ。ユーモアを織り交ぜつつも<自分らしくファイト>というメッセージを宿す名曲だ。

I wish I could go back in time(GUMI)/corpsefish

corpsefishさんはアニメーションまで自身で手がけるイギリスのボカロP。

水色/天使界隈を思わせるキャラクターのビジュアルに、喪失や痛みを綴る内省的な歌詞で、メランコリックで優美な世界観をつくり出している。

corpsefish「I wish I could go back in time」MV

本楽曲は、歌声ライブラリ「V3 GUMI English」のイノセントな声で<I wish I could go back in time(筆者訳:時を戻せたらいいのに)>という後悔を歌う静謐なバラード。

ワルツのような3拍子が特徴。ピアノを中心にしたミニマムなトラックが穏やかに奏でられ、跳ねるような歌唱と幻想的なコーラスが淡い光を添える。「壊れたレコード」や「腐った果実」といったモチーフで、失われた時間への切ない渇望を描く。

忘れられた風景を漂う魂を表現したようなMVも、途方もなく美しい

Self-Destructive Girl(初音ミク)/EMIRI

EMIRIさんはアメリカのボカロPで、英語のフレーズを織り交ぜつつも日本語詞の楽曲を主に手がける。

ロックやEDMなど幅広いジャンルを行き来しつつ、初音ミク愛あふれる作品を発表している。

EMIRI「Self-Destructive Girl」MV

本楽曲は初音ミクの生誕18周年に捧げた一曲。作者のコメントによると「古き良きポップパンクをつくりたい衝動」が核にあったとのこと。

歪んだエレキギターとドラマチックなメロが特色で、2000年代にアヴリル・ラヴィーンさんらが牽引したような、ガーリーなポップパンクのテイストを感じる楽曲になっている。

歌詞は<Self-Destructive(自爆)>な行為をあえて武器にし、恋の主導権を握ろうとする語り手の危うい誇りが痛快だ。「地雷系女子」風の初音ミクを快活なアニメーションで描き、パンキッシュなイメージと重ねる解釈も刺激的である。

スパソゲッティ(初音ミク)/なみぐる

なみぐるさんは、主にずんだもんを用いた電波ソング的な楽曲群で知られるボカロP。

本楽曲は、音楽サークル・On Prism Records主宰のアルバム『キラハピ Collection vol.1』への参加楽曲(「キラハピ」はキラキラ・ハッピーな音楽で世界を明るくすることを目的としたプロジェクト)。

なみぐる「スパソゲッティ」MV

シンセサイザーの代表的な音色「Supersaw(=複数のノコギリ波を互いにピッチをずらしながら重ね合わせた音色)」と「スパゲッティ」を掛け合わせた造語タイトルの通り、きらびやかなシンセサイザーの旨味が前面に押し出されている。まさに「キラハピ」系の快作だ。

イタリア国旗とパスタを取り入れた初音ミクのデザインもキュート。

DTM用語にはじまり、「あんこ入り☆パスタライス」のようなニコニコ発のミーム、音楽ユニット・PAS TASTA、ブルーノ・マーズさんとロゼさん(BLACKPINK)の大ヒット曲「APT.」など、様々な文化のパロディを「スパゲッティ」のモチーフの元にまとめあげる手腕は見事だ。

Ribbon(重音テト)/sabio

洗練されたポップセンスで注目を集めるsabioさん。本楽曲は、多幸感あるメロディと分厚いコーラスが広がる、エレクトロニカ基調のバラード。

随所でグリッチホップ風のアレンジも光る。リスナーの心を掴み、「ボカコレ2025夏(The VOCALOID Collection 〜2025 Summer〜)」のルーキー部門では1位を獲得した。

恋の歌でありながら、生きることの輪郭にも触れるような歌詞になっている。

sabio「Ribbon」MV

<名前のない日々>を祝福し、記念日ではなく平凡な日々の連続にこそリボンをかける。<答えのない世界>で<ありふれた恋>を歌う姿勢が、人生への柔らかな肯定に変わる。

<掛け違えたボタンを一つずつ外してゆく>比喩が、関係を断つのでなく丁寧にほどく成熟を示し、重音テトのクリアで情感豊かな歌声が、祝福と切なさを絶妙に両立させる。中島みゆきさんの「糸」のような普遍的な名曲だろう。

あなたが選ぶ2025年下半期のボカロ名曲は何?

ボカロ文化は、新たなフェーズを迎えているといっても過言ではない

Jamie PaigeさんやFLAVOR FOLEYをはじめ海外のアーティストの活躍も目覚ましく、これまでより広い視野でシーンを捉えることが求められていくだろう。

シーン全体としては、コンピレーションアルバム『全部俺』に象徴されるように、曲づくりから動画制作まで全てを1人でこなすスタイルのボカロPが存在感を増している(外部リンク)。本記事で取り上げたいよわさんやはろけるさん、Atenaさんもそうした一角だ。

もちろん、2025年下半期のボカロシーンはとてもこの15曲だけで語り尽くせるものではないし、ボカロ音楽を聴く人はそれぞれに大事にしている楽曲があることだろう。

あなたのオススメ楽曲を、ぜひコメント欄にて紹介してほしい。

2023年〜2025年上半期のボカロ名曲もチェック!

Spotifyのプレイリストはこちら!

※記事公開時点で春野さんの「鬼ごっこ」はSpotifyで配信されていない。

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