カンザキイオリの代表曲『命に嫌われている。』小説化 震災と家庭崩壊、凄惨な実体験を物語に

  • 0
米村 智水
カンザキイオリの代表曲『命に嫌われている。』小説化 震災と家庭崩壊、凄惨な実体験を物語に
カンザキイオリの代表曲『命に嫌われている。』小説化 震災と家庭崩壊、凄惨な実体験を物語に

カンザキイオリ『命に嫌われている。』

ボカロP/音楽家/小説家のカンザキイオリさんの代表曲「命に嫌われている。」の小説化が発表された。

小説『命に嫌われている。』として6月24日(水)に河出書房新社より刊行される。執筆はカンザキイオリさん自身が行っている。

あわせて、本書の刊行を記念したスペシャルPVと特設サイトも公開。

PVは「命に嫌われている。」の録り下ろし音源を使用。書籍購入特典には、今後配信予定のない限定楽曲「命に嫌われている。 カンザキイオリ歌唱バラードver.」が付属する。

『命に嫌われている。』刊行記念スペシャルPV

実体験をもとに描かれる小説『命に嫌われている。』

カンザキイオリさんによる楽曲「命に嫌われている。」は、2017年8月に動画サイト上で公開。

苛烈かつ内省的な言葉で“生きること”を問い続けるテーマが反響を呼び、国内外のアーティストや歌い手によって今現在もカバーされ続けている。

命に嫌われている。/初音ミク

関連楽曲の総再生回数は数億回規模に達しており、近年のボーカロイドシーンを代表する楽曲の一つとして位置づけられている。

今回刊行される小説『命に嫌われている。』では、14歳の誕生日に東日本大震災を経験した主人公の視座と作者の実体験から、不登校やいじめ、崩壊した家庭環境など、生と死に向き合う物語が描かれる。

『あの夏が飽和する。』から続く、カンザキイオリ楽曲の小説化

カンザキイオリさんは、ボカロP/音楽家として活動。VTuberの花譜さんをはじめ、様々なアーティストへの楽曲提供でも知られる。その一方で、小説家としてもそのキャリアを重ねてきた。

カンザキイオリさん

小説家としてのデビュー作『あの夏が飽和する。』は累計28万部を突破。その後も『親愛なるあなたへ』『自由に捕らわれる。』など、自身の楽曲をベースにした小説作品を発表し続けている。

特に『あの夏が飽和する。』は、ボカロ楽曲を原作とした小説作品として大きな成功を収めた代表例となっており、“ボカロ楽曲のノベライズ”の潮流を象徴する作品となっている。

匿名性や孤独を支えたボーカロイド文化だからこその名曲

「命に嫌われている。」は、2010年代後半のボカロシーンを語る上で欠かせない楽曲の一つ。カンザキイオリさんにとっても最も思いれのある楽曲の一つだという。

楽曲最終盤の〈生きて、生きて、生きろ〉というフレーズは、SNSや動画文化圏を横断しながら拡散。鬱屈や希死念慮、生きづらさといった感情を抱える若年層に強く共有され、“ボカロだからこそ届いた言葉”として受容されてきた。

ボーカロイド文化は、単なる音楽ジャンルではなく、匿名性や孤独、インターネット以後の感情表現を支えるコミュニティとして機能してきた側面があり、その文脈において「命に嫌われている。」は今なお、ひときわ強い存在感を放っている。

この記事どう思う?

この記事どう思う?

カンザキイオリさんの活動をもっと知る

カンザキイオリ インタビュー「孤独でばかりいたら、良い作品は生まれない」.jpg Premium

カンザキイオリ インタビュー「孤独でばかりいたら、良い作品は生まれない」

カンザキイオリは、次世代のボカロPとしてカリスマ的な支持を集める存在だ。 だが、その特徴的なバンドサウンドと研ぎ澄まされた、ともすれば過激な歌詞はシーンの「中心」というよりも、さらに尖った場所にいたアーティストのように映る。 その才能が多くの人に発見されるまで時間はあまり要さなかった。VTuber「花…

premium.kai-you.net
カンザキイオリの小説『あの夏が飽和する。 』文庫化決定 梶裕貴らが朗読する完全版単行本も刊行

カンザキイオリの小説『あの夏が飽和する。 』文庫化決定 梶裕貴らが朗読する完全版単行本も刊行

アーティスト/音楽家/ボカロPとして多方面で活躍するカンザキイオリさんの小説家デビュー作『あの夏が飽和する。』が、河出書房新社より文庫化されることが決定した。価格は858円(税込)、発売日は6月27日(木)。さらに文庫化を記念して、オーディオブックも制作。...

kai-you.net
PALOW.インタビュー 絶望の淵で生まれた創作哲学「いかに毒を美味しく飲ませるか」.jpg Premium

PALOW.インタビュー 絶望の淵で生まれた創作哲学「いかに毒を美味しく飲ませるか」

オリジナル作品「虫メカ少女」や、HAL東京 2016年度TVCM「嫌い、でも、好き」篇のキャラクターデザインで話題となり、バーチャルシンガー「花譜」のキャラクターデザインも務めるなど、自らの歩みでもって現代のイラストレーター像を拡張し続けるPALOW.。 2019年からはクリエイティブスタジオ「SSS by applibot」に参加…

premium.kai-you.net

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。