入場料のある本屋として知られる「文喫」が、9月12日(金)、最大規模となる新店舗「BUNKITSU TOKYO(ブンキツ トーキョー)」を東京・高輪にオープンする。
場所は、JR高輪ゲートウェイ駅直結の「ニュウマン高輪」South 5F。都心の新たなランドマークとして注目される施設に、“本を喫する”体験型書店が一石を投じる。
「BUNKITSU TOKYO」は書店の枠を超える、文化を喫する空間
「文喫」は2018年に東京・六本木で開業。「文化を喫する、入場料のある本屋」というコンセプトのもと、ただ本を買うだけでなく、選書/空間/体験に重きを置いた、新しい書店モデルとして注目を浴びた
「文喫」店内
その後も、福岡天神(2021年)、名古屋・栄(2024年)と、個性的な店舗を複数展開。そして今回の「BUNKITSU TOKYO」は、これまでの集大成ともいえる過去最大面積=約1000坪(3300平方メートル)のフラッグシップショップとなる。
新店舗では約10万冊の書籍を取り揃え、新刊や話題作から、なかなか出会えないディープな一冊まで幅広く展開するという。さらに、223席を備えたカフェラウンジも併設。読書/対話/仕事など、思い思いの過ごし方ができる“滞在型”の空間となる。
出版/書店文化の変容と、「文喫」の試み
コンテンツのデジタル化が進む今、「わざわざ足を運ぶ本屋」の存在意義があらためて問い直されている。
全国の書店や出版社などの業界団体が設立した「日本出版インフラセンター」によると、2024年3月時点の書店数は10,918店。10年前と比較すると4,600店あまりが減少したという(外部リンク)。
雑誌や書籍の市場規模もピーク時から半減。昔ながらの書店が閉店するという報が今後もより加速していくのは、残念ながら歯止めが効かない状況となっている。
そんな状況下で「文喫」は、あえて入場料を設定。本というメディアに対し、“読む”だけではない“空間体験”という価値を付与してきた。
今回発表された「BUNKITSU TOKYO」は、本屋というよりむしろ“都市の公共図書館”のような存在になっていくのかもしれない。

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