国立国会図書館の「遠隔複写サービス」が合法かつ便利っぽいので実際に試してみた

国立国会図書館の「遠隔複写サービス」が合法かつ便利っぽいので実際に試してみた
国立国会図書館の「遠隔複写サービス」が合法かつ便利っぽいので実際に試してみた

国立国会図書館(by soraneko - stock.adobe.com)

みなさんは日本で出版された書籍や雑誌の一部がPDFで手に入るようになったのをご存じでしょうか? しかも、合法で手に入るらしい。お金は少しかかります。

日本で出版された本や雑誌のほとんどを読むことができる国の機関である国立国会図書館が提供する蔵書のコピーを受け取れるサービス「遠隔複写サービス」がパワーアップしたのです。

これまでは本の内容がコピーされた紙を郵送で受け取っていたところを、2月20日からPDFでも受け取れるようになりました外部リンク)。

利用までは少し手間もありますが、今回は便利になった「遠隔複写サービス」を実際に使いながら解説します。記事の最後には注意点などもまとめています。

国立国会図書館「遠隔複写サービス」を使うための前準備

「遠隔複写サービス」の申し込みには、国立国会図書館の利用者登録をする必要があります(外部リンク)。

この手続きを行うには、満18歳以上であることが条件になっており、メールアドレスと本人確認書類の画像が必要となります。

Webで申し込むのが一番便利だとは思いますが、郵送にも対応。国会図書館に来館して申請することも可能です。

ただし、現在はこの「遠隔複写サービス」に注目が集まっているためか、新規登録や登録情報の変更申請が殺到。手続き完了までには時間を要する状況となっているようです。3月1日現在、オンライン及び郵送での申請については、1カ月程度かかる見通しとのこと(外部リンク)。

通常、国立国会図書館に来館すれば即日で登録もできますが、混雑している日には、本来の受付時間よりも早く受付を終了することがあるそう。注意が必要です。

なお、登録までの手順は国会図書館の公式YouTubeチャンネルでも紹介されています。委細はこちらも確認してみましょう。

国会図書館の利用者登録の方法

PDFで複写したい資料を決めよう!

さて、利用者登録が済んだら、次は「遠隔複写サービス」で利用したい資料を決めましょう。

当然ですが、「遠隔複写サービス」を利用できるのは、あくまで国立国会図書館に収録されている資料に限られています。さらに、一部の資料は対応していないので注意が必要です(外部リンク)。

ただし、国立国会図書館には、令和5年度時点で、図書1230万件、雑誌1371万件もの膨大な資料が収録されており、この中から読みたい資料を選べる……と考えると膨大な選択肢があるといえます。

「遠隔複写サービス」は、「国立国会図書館サーチ」(外部リンク)というサイトから申し込むことができます。サイト上で実際に複写したい資料を探すこともできます。

国立国会図書館サーチとは?

検索すると、以下画像のようにデータベースに登録されたタイトルや、本の紹介を基に関連した図書が書影などの情報と共にヒットします。その中で複写をしたいタイトルがあったら、その資料の個別ページをクリックしましょう。

「国会図書館サーチ」の検索結果画面

資料が複写できるかどうか確認するには、ヘルプページを参照のうえ(外部リンク)、資料ページ右側にある「来館せずコピーを依頼」のボタンがあるかを確認しましょう

国会図書館サーチの資料ページ。赤枠で囲った箇所が「来館せずコピーを依頼」だ。

「遠隔複写サービス」実際の手続き手順を紹介

さて、いよいよ「遠隔複写サービス」を利用していきます。

先ほどの「来館せずコピーを依頼」を押すと、複写の申し込みが実行できるところまでスクロールされるので、「来館せずに利用」の項目の「申込カートに入れる(遠隔複写)」を実行します。

申込カートに入れる(遠隔複写)

すると、ページ数など必要項目が表示されるので、入力。

複写方式の指定で「PDFダウンロード」を選べば、資料のPDFファイルを受け取る選択となります。

なおこの際に、追加の複写箇所として表紙、目次、奥付を追加することもできます。

複写箇所の入力。

必要項目を入力したら、ページ下部にある「申込カート(遠隔複写)」をクリック。表示された「申込カートへ進む」にアクセスしましょう。ページ下部の「遠隔複写」の項目にある「複写申し込みへ進む」を進めていけば、申し込みは完了です。

およそ1週間ほどでデータが完成し、「国立国会図書館サーチ」からPDFをダウンロードすることができます。支払いは銀行振込で受け付けている。

申し込みカート。

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