「遠隔複写サービス」の少し複雑な料金システム
利用料金は少々計算が複雑になっています。
書籍、雑誌等の紙資料のスキャンは1ページあたり83.60円(税込)。これに加え、補償金を納める必要があり、少なくとも500円以上がかかります。補償金は複写するページ数ごとに追加でかかる計算です(外部リンク)。
今回例示した「ミニコミ2.0 : ミニ・コミュニケーションとメディアの行方」を2ページ分複写する場合、675円から783円(税込)ほどがかかる計算となります。
このため多数のページを印刷するならば、本を買った方が安い……なんてことも全然起こり得るので、計画的な利用が必須!
ちなみに、先述の本を2ページ分郵送する場合には209 円(税込)+発送事務手数料(国内なら275円)+送料(実費)がかかる計算になっています。郵送の場合は複数の資料を一度に申請することで割安になります(外部リンク)。
便利な「遠隔複写サービス」だけど……!? 使う上での注意点
ここまで簡単に遠隔複写サービスを利用するまでの手順を紹介してきました。しかし実のところ、様々な注意点も存在します。
まず一番のネックともいえる点ですが、「遠隔複写サービス」を使用できるのは主に「調査研究」用途に限られます(外部リンク)。
また、資料のすべてのページをPDF化できるわけではなく、単行本や論文であれば全体の半分までと定められています(外部リンク)。記事や論文名、著者名、ページ数などが分からなければ、複写することもできません。
一応ですが「国立国会図書館サーチ」の資料ページや書店サイトなどで、事前に見たいページを「複写のための記事掲載箇所調査」というサービスを使って、国立国会図書館の職員に調べてもらうことは可能です。
ただし調査の完了までには、開館日あたり約5日ほどがかかるようです(外部リンク)。こちらの利用は無料です。
手間も感じるけど、PDFで資料が手に入るのは、やっぱり便利!
筆者が実際に手に入れたPDF(下部画像)。
山口哲一「音楽業界の動向とカラクリがよくわかる本」の目次 pp.6-7
ページの左下に日付、右上には登録番号、右下に資料の題名が書かれています。もしもこのデータを転載した場合には、図書館側が誰が掲載したのかが分かるような形にもなっています。
データ自体はあくまでも資料のプリントアウトなので、このまま電子上で文字をコピーや編集することはできません(厳密にはいろいろ方法はあると思いますが割愛します)。
データそのものは鮮明で、PDFであるため、小さい文字も拡大して読むことができます。文字の小さな一覧を見る時などにはPDFのありがたみを感じました。
今回筆者が利用したのは、実際に調べ物をしていて、2ページ分だけを読みたかったから。筆者のように本の数ページ分だけ、あるいは雑誌の限られた記事だけを読みたい人には有用なサービスといえます。
もし何か調べ物をする際には、ぜひ試してみてください!
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