KADOKAWAが2024年の年末から2025年の年始にかけて大々的に開催している大型フェア「カドカワ祭ニューイヤー2025」の第3弾がはじまりました。
期間は1月23日(木)まで。100円以下となる作品も多いほか、半額や50%ポイント還元など、あの手この手でお買い得になっています。
対象作品には、剣豪の少女が戦国時代末期から異世界へと飛ばされる『異世界サムライ』、独自の存在感が際立つ異世界転生モノ『ニセモノの錬金術師』、アニメ化も楽しみな女子高生2人の放課後を描く『フードコートで、また明日。』などなど。
この記事では全巻99円になっているものを中心に、ぜひこの機会に読みはじめてほしい話題作をピックアップしています。
同時開催のセールでは、集英社と講談社でも名作を100円以下で販売中です。こちらもお見逃しなく。
目次
齋藤勁吾『異世界サムライ』
時は戦国時代末期。戦場で美しく散りたいと望みながら、強すぎるためいつも生き残ってしまう侍が、死に場所を求めた末に異世界へ飛ばされる『異世界サムライ』。
主人公は10代の少女で、可愛らしい見た目とは裏腹に剣の腕は超一流。異世界の猛者相手にも一歩も引けを取らないどころか圧倒します。一方で、死ぬために戦場に身を投じるという狂人でもある。その異質さに異世界の住民は戦慄するわけです。
このギャップといいますか、ファンタジーと戦国時代特有の価値観が、歪ながらマッチした世界観がユニークです。
杉浦次郎/うめ丸『ニセモノの錬金術師』
異世界転生モノで唯一無二の存在感を放つ『ニセモノの錬金術師』は、1巻が半額になっています。
転生した主人公の青年が平和にひっそり暮らす気ままな生活が描かれる1巻から一転、転生者同士の戦いに無理やり巻き込まれてしまう2巻以降、物語が激変。途方もないスケールへと発展していきます。
どれも破格の能力であるチートスキルを駆使したバトルや、その前後を占める頭脳戦がシームレスに展開。ページをめくる手が止まらなくなります。
成家慎一郎『フードコートで、また明日。』
一見優等生で清楚なお嬢様の和田(腹黒い)と、金髪巻き髪に日焼けした肌で周囲に怖がられている山本(純粋)。
お互いに通う高校では浮いている2人が放課後、某イ◯ンのフードコートで駄弁るだけの漫画です。ただそれだけ、でもそれが良い。日常会話以上でコント未満、ささやかに笑えるゆるい会話劇がめっちゃ良いです。
特に意味もないけど楽しかった放課後の時間は、お金を払っても買えませんが、この漫画で疑似体験できるし買えます。しかも今なら半額ときた。TVアニメ化も楽しみです。
瀬野反人『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』
個人的に2024年のヤバかった漫画に挙げたい『ヘテロゲニア リンギスティコ』は、1巻が64円と今回のセールにおける最安値。さらに5巻まで半額です。
人間の言語学者が魔物たちが住む地へ赴き、彼らの文化を知るために行うフィールドワークを描いています。
言語どころか色覚等の違いで見えているものさえ異なり、特殊な動作で意思を伝える者もいる。
コミュニケーションのハードルが高すぎる状況で奮闘する主人公の旅は苦労しかありません。時々死にそうにもなる。それでも知ることを諦めない姿勢には感じ入るものがあります。
タカノンノ『ショートショートショートさん』
ショートカットのショートさんこと主人公・五十嵐樹のちょっと痛々しく、たまに冴えてる日々を面白おかしく描く『ショートショートショートさん』。
基本的にショートショート形式で、職場で頑張ったり、自作小説への反応に一喜一憂するショートさんの短編が続きます。
短いページ数の中で上手いこと緩急を付けた構成が巧みで、すいすい読んでしまう。思い切った顔芸も癖になる。全巻99円。買うべし。
ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』
タイムスリップ温泉コメディ『テルマエ・ロマエ』は全巻99円。お安い!
古代ローマの浴場設計技師・ルシウスが日本の温泉にタイムスリップし、見聞きしたものから着想を得て、古代ローマで斬新な浴場をつくるまでがワンセット。大真面目で堅物のルシウスが、現代の技術に腰を抜かすほど衝撃を受ける姿が笑えます。
中盤からルシウスとラテン語で話せるさつきが登場。ストーリーにも動きが生まれてドラマチックなラストになだれ込みました。話題の続編『続テルマエ・ロマエ』では、そのさつきの動向が鍵を握るようです。
音井れこ丸『その時の彼女が今の妻です』
フィクションではあるのですが、不思議と生々しい出会いの数々を描いた短編集です。
ほぼ全編、後に結婚する2人の出会いのみに焦点を当てていて、その後は読み手の想像におまかせコース。タイトルの『その時の彼女が今の妻です』が決まり文句です。
街角での偶然だったり、思いがけない再会だったり。もしかしたらどこかで今日、本作にあるような出会いから何かがはじまっているかもしれない……そんな妄想が膨らむ、恋愛物語の序文だけを集めたようなつくり。1巻完結で99円です。
上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」シリーズ
勝手にギャグ漫画の百貨店と呼んでいます。パロディ、オマージュ、引用、台詞なしのサイレント、出落ち、シチュエーションコメディ、ナンセンス、シュール等々、あらゆるやり方で笑わせにくる珠玉のギャグ漫画です。
短編の連作のため1回限りしか出てこないキャラクターも多く、キャラ同士の関係性を踏まえたギャグを繰り出すスタンダードなつくりではありません。
作者・上野顕太郎さんの頭の中にあるアイデア一本で勝負している硬派な作風。正直人を選ぶ漫画ですが、本作でしか味わえない笑みが確かにあります。 全巻99円!
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