KADOKAWA、集英社、小学館の3社が合同で海賊版サイト「漫画村」の運営者に対して起こしていた民事訴訟について、17億3664万2277円の損害賠償金の支払いが確定した。
該当の支払いは、東京地方裁判所が2024年4月18日付けで命じたもの。判決に対しては被告側から控訴請求がされていたものの、7月8日付けで棄却。
今回、それによって支払いが確定した旨を、KADOKAWAや一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)が7月30日付けで発表した。
刑事裁判でも有罪判決を受けた「漫画村」
「漫画村」は、2016年から2018年にかけて、違法アップロードされた出版物を掲載していた海賊版サイト。現在は閉鎖されている。
ACCSの活動報告では、コミックスや漫画雑誌はもちろん、一般雑誌や写真集、文芸作品など約8200タイトルが無断で掲載されていたと報告されている(外部リンク)。
2019年7月に運営者が拘束。その後、共犯者複数名と共に逮捕・起訴された。2021年6月には有罪判決を受け、懲役3年、罰金1000万円、追徴金約6257万円が言い渡されている。
今回、賠償金の支払いが確定したのは、刑事裁判と並行して行われていた損害賠償を求める民事裁判。
KADOKAWA、集英社、小学館が合同で、アップロードされていた作品の巻数や価格、閲覧数などから損害額を計算し、総額19億2,960万2,532円の賠償を求めていた。
未だ収まらない、悪質な海賊版サイトや「早バレ」による被害
無断掲載した出版物をもとに膨大なアクセス数を稼ぎ、広告収入を得ていたとされる海賊版サイトたち。
2021年には、その被害額は約1兆19億円にも上ったと試算されている。
「漫画村」のサイトが公開されていた当時は、その違法性と裏腹に利用者が拡大したことで社会問題化。現在に至ってもその余波は収まっていない。
2024年2月には、集英社や講談社が、雑誌の発売前に漫画の内容を流出させてしまう「早バレ」サイトの運営者が逮捕されたことに対して声明を公開。
それぞれ「極めて問題視しています」「読者の喜びを奪う極めて悪質で卑劣な行為です」と強く非難した。
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